体脂肪に蓄積する毒素を放出させつつ、それを無害化するデトックス・ダイエット

(2017年1月) "International Journal of Environmental Research and Public Health" に掲載されたスキッドモア大学(米国)などの研究によると、P-C Rダイエット(*)と呼ばれる食事法が体重の減少とデトックス(解毒)に有効だと思われます。
(*) P-CR(タンパク質配分・カロリー制限)ダイエットでは、摂取カロリーを減らしつつ1日あたり4~6回の食事をします。 1回の食事では、20~25gのタンパク質を摂るようにします。
ダイエットと毒素
脂肪組織には、環境汚染物質など様々な毒素が蓄えられます。 そして体重が減るときに脂肪が分解されると、そういった毒素が血流中に放出されます。 こうして血流中に放出された毒素が、酸化ストレスを増大させて健康上の問題(*)を引き起こすのではないかと懸念されています。
(*) 今回の研究で調査対象となったPCBの場合、ホルモンの撹乱(生殖機能)・心臓病・ガンなど。
研究者は次のように述べています:
「(太っている人が)体重を減らすと健康状態が改善するのが一般的ですが、非常に太っていて体内に大量の毒素が蓄えられている場合には、体重を減らしたときに健康に悪影響が生じる恐れがあります」
フェーズ1
試験の方法

肥満している男女40人(男性21人)に、P-CRダイエットを12週間にわたり続けてもらいました。

食生活の内容

この12週間における摂取カロリーは、女性では 1,200キロカロリー/日、男性では 1,500キロカロリー/日でした。 摂取カロリーの30%をタンパク質、45%を複合炭水化物、25%を脂肪で摂るようにしました。

さらに、1週間に1日だけデトックス(解毒)を目的とするプチ断食を行いました。 プチ断食の日には、抗酸化物質を豊富に含む植物性の食品で330~430キロカロリーを摂取しました。

結果
体重が平均で13~14kgほど減りました。 フェーズ1を開始する前に比べて、PCB(*)の血中濃度と抗酸化能が増加し、酸化ストレス(TBARS)が低下していました。
(*) ポリ塩化ビフェニル。 有害物質。
研究者は次のように述べています:
「(体重が減った結果として)PCBの血中濃度が増加しましたが、それに対応して抗酸化物質の量が増えたために、体がPCBの悪影響から守られていました」
フェーズ2

次に、40人を2つのグループに分けて、一方のグループにはP-CRダイエットを、もう一方のグループには心臓の健康に良いとされている既存の食事法を1年間(52週間)にわたり続けてもらいました。

食生活の内容

どちらのグループも、摂取カロリーは約 1,900キロカロリーでした。 P-CRダイエットのグループは、2週間に1度あるいは一ヶ月に1度、上述のプチ断食を行いました。

心臓の健康に良い食事法のグループは、カロリーの35%を脂肪で、50~60%を糖質で摂りました。 さらに、食物繊維を毎日20~30g摂るように心がけ、コレステロールの摂取量が200mg/日未満となるようにしました。

結果

減らした体重の維持・血管の健康・PCBの排出のいずれにおいても、P-CRダイエットのほうが優れていました。

フェーズ2に移行してから増えた体重が、P-CRダイエットのグループでは0.7kgほどだけだったのに対して、心臓の健康に良い食事法のグループでは5.4kgほどでした。

P-CRダイエットのグループではフェーズ1に引き続いて、PCBが(脂肪組織から)排出されていました。 それにも関わらず、酸化ストレスの程度に両グループで違いが見られませんでした。 P-CRダイエットに豊富に含まれる抗酸化物質がPCBに対抗して酸化ストレスを抑制したのかもしれません。

研究者は次のように述べています:
「食生活を変更するだけで、体重を減らすだけでなく、デトックスを促進したり酸化ストレスを減らしたり血管の健康状態を改善したりすることが出来ます。 肥満と言うほどには太っていない人にとっても、P-CRダイエットは有益だと思われます」
まとめ

脂肪にPCBが蓄積するのは望ましくないが、体重減少時にそのPCBが血流中に放出される量が多いのも望ましくない。 しかし、P-CRダイエットを用いれば、脂肪に溜まっているPCBを排出させつつ、PCBが血流中に放出されたときの悪影響(酸化ストレス)を抗酸化物質で抑制できる、ということなのでしょう。

P-CRダイエットの特色はタンパク質だと思うのですが、タンパク質を毎回食べることの意味については言及されていません。