動物性タンパク質の摂取量が多いと死亡リスクが増える。 植物性だと下がる

(2016年8月) "JAMA Internal Medicine" 誌に掲載されたハーバード大学などによる研究で、赤身肉や加工肉(ハムやソーセージなど)の摂取量が多い人は死亡リスクが高いが、植物性のタンパク質の摂取量が多い人は死亡リスクが低いという結果になりました。

研究の方法
17万人超の男女を対象に食生活と死亡リスクの関係を数十年間にわたり追跡調査したデータ(350万人年(*)分ほど)を分析しました。
(*) 人年(person year)=患者数×年数
結果

調査期間中に発生した死亡件数は3万6千件超で、そのうちの9千件ほどが心臓病・脳卒中によるもの、1万3千件ほどがガンによるものでした。

生活習慣など死亡リスクに影響する様々な要因を考慮しつつ分析したところ、動物性タンパク質(肉・卵・乳製品)の摂取量が多いと死亡リスクが高いという弱い関係(*)が見られました。 植物性タンパク質(豆類やナッツ類など)の摂取量が多い場合には、逆に死亡リスクが下がっていました(†)

(*) 総カロリー摂取量に動物性タンパク質の食品が占める割合が10%増えるごとに死亡リスクが8%増加。

(†) 総カロリー摂取量に植物性タンパク質の食品が占める割合が3%増えるごとに死亡リスクが10%低下。
生活習慣に問題がある場合だけ
もう少し詳しく分析してみたところ、動物性タンパク質の摂取量が多い場合に死亡リスクが増加していたのは、生活習慣に少なくとも1つは問題がある(*)という人たちだけで、生活習慣に問題がない場合には動物性タンパク質の摂取量が多くても死亡リスクは増えていませんでした。
(*) 太り過ぎ・痩せ過ぎ・飲酒量が多過ぎ・喫煙習慣がある・運動不足である。
動物性タンパク質の種類

動物性タンパク質の種類にまで踏み込んで分析してみたところ、摂取量が多い場合に死亡リスクが増えていたのは主として加工肉と赤身肉で、魚や鶏肉では死亡リスクは増えていませんでした。

不健全な生活習慣と動物性タンパク質の種類

生活習慣が不健全な人は赤身肉・卵・高脂肪の乳製品をよく食べる傾向にあり、生活習慣が健全な人は魚と鶏肉をよく食べる傾向にありました。

このことから、生活習慣によって動物性タンパク質の摂取量が死亡リスクに影響したりしなかったりするのは、生活習慣の良し悪しによって好んで食べる動物性タンパク質の種類が異なるのも一因ではないかと思われます。