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PTSD患者は老化が速い?

(2015年5月) "American Journal of Geriatric Psychiatry" に掲載されたカリフォルニア大学サンディエゴ校などのレビューによると、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を抱えている人は老化が速く進む可能性があります。

早期老化の定義

過去の研究では、統合失調症や双極性障害(躁うつ病)などの精神疾患の患者で老化が速く進む可能性が指摘されていますが、早期老化の定義について統一的な見解は存在しません。

そこで研究チームが精神疾患以外の疾患(ハッチンソン-グリフォード早老症候群、HIV感染症、ダウン症など)における早期老化の基準を調べたところ、早期老化の指標としては主に次の3つが用いられていました:

  1. 白血球のテロメアの長さ(LTL)などの生物学的指標。
  2. 加齢に伴う疾患の早期発生または高罹患率。
  3. 早期死亡率(早死に率)。
研究の方法

今回のレビューでは、PTSDと早期老化(早老症)との関係を調べた32の研究のデータを総合的に調査しました。

結果
  • 生物学的指標
    LTLを調査対象とした6つの研究ではいずれも、PTSD患者はテロメアが短いという結果でした。 PTSD患者ではC反応性タンパクや腫瘍壊死因子α(TNFアルファ)などの炎症性マーカーも増加していました。
  • 加齢に伴う病気
    調査対象となった大部分の研究においてPTSD患者では、老化によってリスクが増加する心血管疾患・2型糖尿病・胃腸潰瘍・認知症などの病気が増加していました。 参考記事: PTSDの女性では2型糖尿病のリスクが増加
  • 早期死亡率
    早期死亡率を調べた10の研究のうち7つにおいて、PTSD患者では早期死亡の率が僅か~中程度に増加するという結果になっていました。