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ヘビースモーカーのほうが禁煙時にたくさん太る

(2013年8月) "PLoS One" に掲載された京都医療センターの研究によると、ニコチン依存症(ニコチン中毒)の程度が軽い人よりも深刻な人のほうが、禁煙時の体重増加が激しくなる傾向にあります。

研究の方法

禁煙希望者186人(男性132人)を2つのグループに分けて、一方のグループはニコチンパッチ(皮膚に貼って使用する禁煙補助薬)で禁煙してもらい、もう一方にはバレニクリン(経口の禁煙補助薬。商品名は「チャンティックス」など)で禁煙してもらいました。

そして、禁煙者の体重・抑鬱の兆候・コレステロール値・ニコチン依存症の程度など喫煙に伴う体重増加に影響しそうな要因を追跡調査しました。

結果
  • 3ヶ月間の禁煙により、2つのグループの平均で1kgほど体重が増加しました。 BMIで言うと、23.5から23.9への増加になります。
    これまでのデータでは、禁煙によって男性は約2.7kg、女性は約3.6kg増加することが示されており、今回の被験者の体重増加は少なめであると言えます。
  • ニコチン依存症の程度ごとに体重の増加度を分類してみると、ニコチン依存症が重症のグループの体重の増加度は、依存症が軽症のグループの三倍になっていました。
  • ニコチンパッチで禁煙したグループとバレニクリンで禁煙したグループの間で、体重の増加度に有意な違いは見られませんでした。
    ニコチンパッチとバレニクリンでは作用が異なり、ニコチンパッチはニコチンを含み禁煙者にニコチンを補給することで喫煙欲を鈍らせますが、バレニクリンはニコチンを含まずニコチンを摂りたいという欲求を鈍らせる成分を含んでいます。
禁煙により太る理由

研究者によると、禁煙時にニコチン禁断症状によって体重が増加することは既に証明されています。 喫煙者では、脳にまわったニコチンによってドーパミンが簡単に放出されるようになるために、食欲が抑制されているのです。(禁煙時には、抑えられていた食欲が戻るので太るということでしょう)

さらに、ニコチンには代謝を活性化させる作用もあり、この作用によって喫煙者では体重の落ちた状態が維持されています。 したがって、喫煙者が禁煙後にも禁煙前と同量の食事をしていては、当然のことながら体重が増えます。

つまり、喫煙者であるのに普通の体重であるという人は、ニコチンによって①食欲が抑えられてようやく人並みの食欲になっており、さらに②ニコチンによって脂肪が付きにくい体質になっているのに痩せているどころか普通の体重であるということになります。

こんな人がタバコを止めると、①食欲が人並み以上になったうえに、②喫煙時よりも脂肪が付きやすい体質になるのですから、太るのも当然ですね。
アドバイス
研究者は次のように述べています:
「禁煙を始める前にニコチン依存症の程度を把握しておくことが大切です。 そうすることで、禁煙後に太るかどうかの予測がつきます。 禁煙によって太りそうな場合にも効果的な対策はあります」
また研究者によると、禁煙による体重増加量は大したことがないうえに、ニコチンパッチを使っていれば食欲の増加も抑えることができるので、禁煙希望者は体重の増加を心配せずに禁煙にのみ集中すればよいそうです。