赤ブドウに脂肪の燃焼を促進する効果?

(2015年2月) "Journal of Nutritional Biochemistry" に掲載されたオレゴン州立大学などの研究によると、色の濃いタイプのブドウを食べたり、そのようなブドウを原料とするジュースや赤ワインを適量飲むことによって脂肪の燃焼が促進される可能性があります。

この研究では、マスカディンという米国南東部が原産の赤黒い色をした品種のブドウから抽出した4種類の天然化学物質にヒトの肝臓細胞と脂肪細胞を暴露させるという実験を行いました。

その結果、エラグ酸というポリフェノールの効果が顕著で、既存の脂肪細胞の増殖と脂肪細胞の新規形成を劇的に鈍化させる作用と、肝臓細胞における脂肪酸の代謝を強化する作用が認められました。

ただし、ブドウ抽出物には直接的に体重を減らす効果は期待できません。 期待されるのは、脂肪、特に肝臓の脂肪の燃焼を助けることによって、肥満者の肝臓機能を改善する効果です。

2013年の研究

今回の結果は、同じ研究者が2013年にマウスを用いて行った試験の結果と合致します。 2013年の試験で、高脂肪食を食べている肥満マウスにピノ・ノワールという赤ワインの原料となるブドウの抽出物(ヒトの摂取量に換算して1.5カップ/日程度の量のブドウに相当する)を与えたところ、(ブドウ抽出物を与えなかったグループに比べて)肝臓の脂肪蓄積量が少なく、血糖値も低かったのです。

2013年の研究でもエラグ酸の効果が示されており、高脂肪食を食べているマウスでもエラグ酸のお陰で血糖値が普通のエサを食べている普通体重のマウスとほとんど同じでした。

ブドウ抽出物を与えられていた肥満マウスの体組織を調べたところ、PPARαおよび PPARγという脂肪と糖の代謝に関与する2種類のタンパク質が活性化していました。

研究者は、アラグ酸などの化学物質が PPARα と PPARγの核内ホルモン受容体に結合して食事脂肪とグルコース(ブドウ糖)の代謝を引き起こす遺伝子のスイッチをオンにするのではないかと考えています。 血糖値やトリグリセライド(中性脂肪)を低下させる処方薬も一般的には、このようなメカニズムで効果を発揮します。