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赤身肉の食べ過ぎでガンのリスクが増える原因が明らかに?

(2014年12月) 赤身の肉を大量に食べるヒトでは一部のガンのリスクが増加することが知られていますが、肉食動物ではそのようなことはありません。

"Proceedings of the National Academy of Sciences" に掲載されたカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究によると、ヒトと肉食動物の間のこのような違いは、Neu5Gc と呼ばれる糖の有無にあるかもしれません。

Neu5Gc

大部分の哺乳類では Neu5Gc が体内で生産されますが、ヒトの体内では生産されません。 したがって、ヒトが食べる牛や豚などの哺乳類の肉には Neu5Gc が含まれているのに、それを食べるヒトの体内では Neu5Gc が生産されていないということになります。

そのために、ヒトが赤身肉を食べたときには、赤身肉に含まれる Neu5Gc を免疫系が異物とみなして Neu5Gc に対する抗体を作り出し、その抗体によって全身性の炎症が生じるのだと考えられます。 慢性的な炎症によってガンのリスクが増加することが知られています。

研究の内容

研究チームはまず、①牛肉や、豚肉、羊肉に Neu5Gc が豊富に含まれていることと、②Neu5Gc が生物学的に利用可能(バイオ・アベイラブル)な物質である、すなわち血流に乗って全身に運ばれる物質であることを確認しました。 研究チームの過去の研究でも、人体が肉に含まれる Neu5Gc を吸収し得ることが示されています。

次に、体内で Neu5Gc が作り出されないように遺伝子改造されたマウスを用いた実験を行いました。 このマウスに Neu5Gc を含むエサを与えると、マウスの体内で Neu5Gc に対する抗体が作られて全身性の炎症が生じ、自然発生腫瘍(発ガン性物質などが原因ではない腫瘍)が生じる率が5倍に増加しました。 また、腫瘍には Neu5Gc の蓄積が見られました。

研究者は次のように述べています:

「ヒトでもマウスと同じであることを確認する必要はありますが、今回の結果は、赤身肉の摂取によって、アテローム性動脈硬化や2型糖尿病などのリスクが増加する理由の説明にもつながる可能性があります。 これらの疾患にはガンと同様に、慢性的な炎症が関与しています」

「若い人にとって、適量の赤身肉は栄養源として有益です。 今回の研究が赤身肉の副作用(Neu5Gc)の問題の解決の糸口となることを期待しています」