(2017年6月) "Oncotarget" 誌に掲載されたメタ分析で、赤身肉や加工肉(ソーセージやハムなど)を食べることが多い人は腎臓ガンになることが多いという結果になっています。
メタ分析の方法
赤身肉(*)や加工肉の摂取量と腎細胞ガン(†)のリスクの関係を調べ 2016年8月末までに発表された研究の中から所定の基準を満たす23の研究を選出し、それらのデータを分析しました。(*) このメタ分析では、牛肉・豚肉・羊肉を赤身肉とみなした。
(†) 腎臓のガンの中で最も一般的。
(*) 13のコホート研究のデータを分析した。
結果
赤身肉
赤身肉の摂取量が最も多いグループに比べて最も少ないグループは、腎細胞ガンのリスクが36%高くなっていました。 赤身肉の摂取量が100g/日増えるごとに腎細胞癌のリスクが21%増加するという計算になります。
加工肉
加工肉の摂取量が最も多いグループに比べて最も少ないグループは、腎細胞ガンのリスクが13%高くなっていました。 加工肉の摂取量が50g/日増えるごとに腎細胞癌のリスクが16%増加するという計算になります。
地域別
加工肉や赤身肉で腎細胞ガンのリスクが増加していたのはアメリカで行われた研究だけで、欧州やアジアで行われた研究では、加工肉と赤身肉のいずれについても摂取量と腎細胞ガンのリスクとの間に統計学的に有意な関係は見られませんでした。
肉の種類
豚肉の摂取量と腎細胞ガンのリスクとの間には関係が見られませんでした。
留意点
研究チームによると、今回のメタ分析には様々な弱点があるため、今回の結果を鵜呑みにすることは出来ません。 赤身肉や加工肉の摂取量と腎細胞ガンのリスクの関係について、今後も研究を続けていく必要があります。
関連研究
"Cancer" 誌に掲載された研究では、直火や高熱で調理した肉の摂取量が多いと腎臓ガンになりやすいという結果になっています。
また、今回と同じく "Oncotarget" 誌に掲載されたメタ分析では、19の研究のデータを分析して、野菜や果物の摂取量が多い人は腎細胞ガンになることが少ないという結果になっています。 野菜の摂取量が多い場合には27%のリスク低下、果物の摂取量が多い場合には14%のリスク低下でした。