研究者もビックリ。 牛肉や豚肉に老化を遅らせるアンチ・エイジングの効果!?

(2016年7月) 腎臓に悪いとか心臓に悪いとかガンのリスクが増加するとかで最近ではとかく問題視されがちな赤身肉ですが、"Nutrition Journal" に掲載されたウッチ医科大学(ポーランド)の研究で、赤身肉を頻繁に食べている人のほうが意外にも老化の指標であるテロメアが長いという結果となりました。出典: The relationship between peripheral blood mononuclear cells telomere length and diet - unexpected effect of red meat

研究の方法
18~65才(平均41才)の健康な男女28人(*)を対象に、17種類の飲食物(†)の摂取状況に関するアンケートを実施し、血液サンプルを採取してテロメアの長さを調べました。

(*) 喫煙者と非喫煙者が混在。 28人のうち女性は21人。

(†) 食べ物は、穀物・野菜・果物・赤身肉・鶏肉・魚・乳製品・菓子の9種類。 飲み物は、果物ジュース・コーヒー・茶・ミネラルウォーター・アルコール飲料・糖類が使われた炭酸飲料の8種類。 「茶」というのは、おそらく紅茶です。
結果

17種類の飲食物のうち赤身肉でのみ、テロメアの長さとの間に関係が見られました。 赤身肉をまったく食べないというグループよりも、赤身肉を毎日1~2回食べるというグループのほうがテロメアが長かったのです。

喫煙習慣・運動習慣・コレステロール(LDLまたはHDL)・教育水準とテロメアの長さの間に関係は見られませんでした。
赤身肉を食べる頻度とテロメアの長さの関係
下記のグラフは、赤身肉を食べる頻度とテロメアの長さの関係を示しています。 左側の数字がテロメアの長さで、下側のF0~F4が赤身肉を食べる頻度です(F0が赤身肉を全く食べないグループ、F4が赤身肉を毎日食べるグループ)。
解説
赤身肉
2015年に "European Journal of Clinical Nutriton" に発表された韓国の研究(リンク先は英文)では、赤身肉の摂取量が多いとテロメアが短いという結果になっています。
今年の4月に発表された研究でも、赤身肉の摂取量が多いとテロメアが短いという結果になっています。

研究チームは、2015年の韓国の研究(データに含まれる人数は 1,958人)と今回の研究との結果が異なる理由について、地域の違い(ポーランド vs. 韓国)や年齢層の違い(18~65才 vs. 40~69才)を挙げています。 赤身肉を食べる頻度だけで食べる量については尋ねなかったのも、結果に影響している可能性があります。

また、研究チームは赤身肉に含まれテロメアの長さを維持する効果がある成分としてカルノシン(*)を挙げていますが、「わかさ生活」によるとカルノシンは白身肉である鶏肉に豊富に含まれています。
(*) カルノシンは 2004年の研究(リンク先は英文)でテロメアが短くなるペースを遅くする作用のあることが示されています。
喫煙習慣・教育水準・運動習慣

これまでに行われた他の研究では、喫煙習慣があるとテロメアの長さが短く、運動習慣がある人や教育水準が高い人はテロメアの長さが長いという結果になっています。

今回の研究で、喫煙習慣がある人のほうがテロメアが短い、あるいは教育水準が高い(それゆえに収入が多くて食生活が豊か)な人のほうがテロメアが長いという結果にならなかった理由として研究チームは、今回の研究のデータの量が少なかったためではないかと述べています。

また運動習慣については、運動量が最も多かった二名ではテロメアが長かったことから、少しの運動ではテロメアの長さに影響しない可能性が考えられます。
今回の研究はウッチ医科大学の資金提供により行われました。 研究チームの中に牛肉・豚肉業界から利益の供与を受けている人はいないようです。