生活習慣の改善によりテロメアの長さを回復して老化を停止

生活習慣の改善によりテロメアの長さを回復

"The Lancet Oncology" 誌(2013年9月)に掲載された研究で、健康的な生活によってテロメアの長さを回復できることが示されています。

研究の方法

低リスクの前立腺ガンと診断されたけれども治療はしていない男性たちを2つのグループに分けて、一方のグループ(10人)には生活習慣を全面的に改善してもらい、もう一方のグループ(25人)にはそれまでと同様の生活を続けてもらいました。

改善の対象となった生活習慣は次の通りです:
  • 健全な食生活: 自然食品(加工されていない食品や、精製されていない玄米などの穀物)と野菜を中心にした低脂肪の食事。
  • 適度な運動: 1日30分のウォーキングを週に6日間。
  • ストレス管理: 瞑想やヨガなどのリラックス法を1日1時間実践。
  • 人的サポート: 週に1度、1時間の支援グループによるミーティング。

このような生活を5年間続けた後に両グループの血液サンプルを採取してテロメアの長さを計測し、期間開始前に採取していた血液サンプルのテロメアと長さ比較しました。

結果

生活習慣を改善しなかった25人のグループではテロメアの長さが5年前より平均で3%短くなっていたのに対して、生活習慣を改善したグループでは、テロメアの長さが5年前と比べて平均10%増加していました。

さらに、生活習慣の改善度合いとテロメアの長さの間には用量反応が見られました。 すなわち、生活習慣の改善度合いが大きかった人のほうが、テロメアの回復量が大きかったのです。

研究者は次のように述べています:
「細胞レベルで老化のプロセスを逆転させることが出来るかもしれないのです。 人体はかつて思われていた以上に流動的で、年齢に関わらず生活習慣を改善することで老化を改善できます。 遺伝子、そしてテロメアは、大きな要因ではありますが宿命ではないのです」
ただし、今回の研究はパイロットスタディ(初期段階の研究)であるため、大規模な無作為化試験でも同じ結果となることを確認する必要があります。
摂取カロリーを40%減らすとテロメアが短くなりにくい

"PLOS ONE"(2013年1月)に掲載された Centro Nacional de Investigaciones Oncológicas(スペイン)の研究で、マウスの食事量を一定期間にわたって減らすとテロメアの長さが回復するという結果になりました。 テロメアの長さが回復することで、加齢による病気やガンのリスクを低下させることができます。

研究の方法

生後3ヶ月の若いマウスたちを2つのグループに分けて、一方のグループ(「普通マウス」)には普通のエサを、もう一方のグループ(「CRマウス」)にはカロリーを40%減らしたエサを与えてマウスが一生を終えるまで観察し、加齢が関与するガンなどの病気の発生率を両グループで比較しました。

結果

CRマウスで、ガンの発生率も加齢が関与する骨粗鬆症などの病気の発生率も低下していました。 ブドウ糖の吸収力や運動神経についてもCRマウスのほうが優れていました。

研究者は次のように述べています:
「カロリー制限をしたマウスは、普通の食事のマウスよりもテロメアが短くなる率が低く、そのため、成人の時点で普通の食事のマウスよりもテロメアが長く、染色体の異常も少なかったのです」