抗がん剤レゴラフェニブがDHAの抗ガン効果を引き出す

(2016年5月) "Molecular Cancer Therapeutics" 誌に掲載されたカリフォルニア大学デイビス校の研究によると、レゴラフェニブという抗がん剤をDHA(オメガ3脂肪酸の一種)と併用することによって、DHAに備わる抗ガン効果が効率的に発揮されます。出典: Common Supplement Boosts Kidney Cancer Therapy

研究の概要

細胞実験やヒトの腫瘍を用いたマウス実験を行ってレゴラフェニブをDHAと併用したときの腎細胞ガンに対する効果を調べたところ、細胞実験でもマウス実験でもレゴラフェニブとDHAの併用が効果的でした。

併用の効果は特に、腫瘍の成長および血管新生(*)の軽減で顕著でした。 レゴラフェニブとDHAは、腫瘍が成長する一因であるMAP/ERKキナーゼと血管形成をコントロールするVEGFR(血管内皮細胞増殖因子受容体 )タンパク質に作用します。
(*) 腫瘍が血管を新しく形成すること。 腫瘍は新しく作られた血管から血液を得て増殖する。
解説

研究チームの過去の研究で、DHAの代謝物であるEDP(エポキシドコサペンタエン酸)にガン(*)の浸潤と血管新生を抑制する作用のあることがわかっていましたが、このEDPにはsEH(可溶性エポキシド加水分解酵素)と呼ばれる酵素に分解されてしまうという問題がありました。

レゴラフェニブにsEHの作用を阻害する効果のあることはわかっていたので、今回の研究でDHAとレゴラフェニブを併用したところDHAがEDPへの変換がムダなく行われ、DHAのみを使用したとき以上の抗ガン効果が得られたというわけです。
(*) "cancers" と複数形になっているので腎細胞ガンには限らないようです。
また、研究者によると大部分の腎細胞ガンは数年のうちにレゴラフェニブなどの抗がん剤への耐性を獲得しますが、DHAとの併用によりこれを回避できる可能性もあります。