皮膚に住んでいるウイルスでニキビ治療

(2012年9月) "mBio" 誌に掲載されたピッツバーグ大学などの研究によると、ニキビの治療に、私たちの皮膚に常在している無害なウイルスを利用できる可能性があります。

細菌に感染するウイルスのことをファージといいますが、このファージを利用してニキビの原因となるアクネ桿菌(propionibacterium acnes)を退治できるかもしれないのです。

ニキビの原因

ニキビは、毛包に皮脂が詰まるのが原因で発生します。 アクネ桿菌もファージと同じく皮膚に常在している菌で普段は無害なのですが、毛包に皮脂が詰まると皮脂を栄養として過剰に繁殖し、皮脂を酸化させます(アクネ桿菌以外にも、紫外線や空気中の酸素も皮脂の酸化の原因となります)。 こうして酸化した皮脂のために生じた炎症がニキビです。

研究の概要

11種類のファージのDNAを分析して、これらのファージがいずれもアクネ桿菌の細胞壁を壊すエンドリシンと呼ばれる酵素を作る遺伝子を持っていることを突き止めました。

ファージのメリット

ファージが特定の細菌のみをターゲットとするの対して、抗生物質はヒトの胃腸に住んでいる善玉菌まで殺してしまいます。 またテトラサイクリンなどの抗生物質は、これまで散々に使われてきたので多くのアクネ桿菌が耐性を獲得してしまっています。 Accutane などの薬にしても、アクネ桿菌には効果があるものの危険な副作用があります。

ファージをニキビの治療に利用することができれば、抗生物質の効かないアクネ桿菌にも有効なうえに、副作用も少ない理想的な治療法となるはずです。