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筋力トレーニングをすると特定の遺伝子が活性化してインスリン抵抗性が緩和される

(2018年4月)"American Journal of Physiology - Endocrinology and Metabolism" に掲載された立命館大学などの研究によると、2型糖尿病の患者は筋力トレーニングにより特定の遺伝子が活性化してインスリン抵抗性が緩和される可能性があります。 出典: Resistance Exercise Improves Insulin Resistance, Glucose Levels

予備知識

インスリン抵抗性

インスリンは体がグルコース(ブドウ糖)を吸収してエネルギーとして利用する際に必要となるホルモンです。 インスリン抵抗性とはインスリンが効きにくくなった状態のことです。 インスリン抵抗性が生じるとインスリンの効果が薄れるために血流中からグルコースが吸収されず血糖値が危険な水準にまで上がる恐れがあります。

APPL1

脂肪細胞へのグルコースの吸収を調節するタンパク質にAPPL1と呼ばれるものがあり、このAPPL1に筋肉においてインスリン感受性を高める(インスリン抵抗性を緩和する)作用もあることがわかっています。

これまでの研究では、有酸素運動(ジョギングや自転車など)により肝臓におけるAPPL1の発現(特定の遺伝子に基づいてタンパク質が作られること)が改善されてインスリン抵抗性が軽減されることが示されています。

研究の方法

ネズミを用いた実験を行って、筋力トレーニングがAPPL1の発現に及ぼす影響を調べました。 実験では、2型糖尿病のネズミの一群と健康なネズミの一群に、片脚のみの筋力トレーニングを6週間にわたり週3回行わせました。

結果

筋力トレーニングを実施する前の時点で、糖尿病のグループは健康なグループに比べてAPPL1の発現量が少なくインスリン抵抗性が高い状態にありました。

6週間の筋力トレーニングののち糖尿病グループでは、筋力トレーニングを行ったほうの脚でのみAPPL1発現量とインスリン抵抗性が改善されました。

今回の研究では、筋力トレーニングとAPPL1の発現量の増加とをつなぐシグナル伝達経路が4つ特定されました。