治療抵抗性高血圧


次のいずれかに該当するタイプの高血圧が「治療抵抗性高血圧(resistant hypertension)」に分類されます:

  • 降圧剤を3種類(うち1種類は利尿剤)以上服用しているのに血圧をコントロールできていない
  • 血圧をコントロールできてはいるが、4種類の降圧剤を併用している
治療抵抗性高血圧は、お腹まわりの脂肪が多い人や睡眠時無呼吸症の人に多く見られます。 治療抵抗性項血圧の患者は、心臓疾患のリスクや早死にするリスクが増加します。

"Clinical Journal of the American Society of Nephrology" に掲載された研究(2013年7月)によると、慢性腎疾患も治療抵抗性高血圧のリスク要因で、中程度の慢性腎疾患患者の半数以上に治療抵抗性高血圧が見られます。

腎疾患による治療抵抗性高血圧のリスク増加は、お腹まわりが太っている人、糖尿病の人、あるいは心臓発作または脳卒中の病歴のある人で顕著です。
治療抵抗性高血圧で脳卒中のリスクが増加

2014年8月に開催された欧州心臓学会で発表された台湾の研究によると、治療抵抗性高血圧がある高血圧患者の一部では、一般的な高血圧患者よりも脳卒中(特に虚血性のもの)のリスクが増加します。

リスクの増加度は、女性に限ると35%、高齢者に限ると20%です。 この研究は45才以上の人を対象に行われましたが、比較的若い男性では治療抵抗性高血圧による脳卒中リスクの増加は見られませんでした。

治療抵抗性高血圧への対処法

"Canadian Medical Association Journal" に掲載されたアルバータ大学のレビュー(2014年8月)では、治療抵抗性高血圧をコントロールする方法として以下が推奨されています:

  • 既存の投薬計画と投薬戦略を最適化して、患者がきちんと薬を飲むようにする。
  • カウンセリングを行って、患者が塩分摂取量や、飲酒量、運動習慣、体重などを改善するのを手助けする。
  • 患者に閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)を患っている場合には、持続気道陽圧(CPAP)を用いて OSA を治療する。
  • 現在使用している薬が効かない場合には、別の薬を追加する。
  • 高血圧専門医のいる病院を紹介する。

ただし、このレビューには無作為コントロール試験がほとんど含まれていないなど、高品質なエビデンスが不足しているため上記の推奨項目は主として複数の専門家が同意したもの(科学的なデータではなく経験的な知見に基づくものということでしょう)ということになります。

治療抵抗性高血圧と思われるケースが偽抵抗性によるものである場合があります。 偽抵抗性の原因には次のようなものがあります:

  • 白衣効果(病院にいるというだけで血圧が上がる現象)。
  • 薬を指示された通りに飲んでいない。
  • 血圧の測定の仕方が悪いために正確な数値が測定できていない。

これら以外にも、降圧剤の効果が他の薬や、食品、サプリメント・健康食品に影響されているために血圧が下がらないケースも考えられます。 したがって高血圧患者は、自分が使用している医薬品やサプリメント・健康食品について包み隠さず全てを医師に伝える必要があります。

高血圧が治療抵抗性(治療の効果が出にくい)だからといって、血圧をコントロールできないわけではありません。 高血圧の原因を突き止めることができれば、その原因に合った治療法によって血圧をコントロールすることが可能です。