「最新健康ニュース」のコンテンツを閲覧以外で利用する方は「引用・転載・ネタ探しをするときのルール」をご覧ください。

糖質の代わりにレジスタント・スターチを食べると心臓病などのリスクが増加?

(2016年12月) 食物繊維の一種に、善玉の腸内細菌のエサ(プレバイオティクス)となって腸内の健康を促進してくれる難消化性デンプン(レジスタント・スターチ)というものがありますが、"British Journal of Nutrition" に掲載された子供病院オークランド研究所などの研究によると、難消化性デンプンの摂取の仕方によってはトリメチルアミン-N-オキシド(TMAO)の血中濃度が増加することがあります。

TMAOについて

TMAOは腸内細菌が作り出す物質で、心血管疾患(心臓病や脳卒中)や腎疾患との関連が指摘されています。 これまでの研究で、TMAOが赤身肉やエナジードリンクに多量に含まれるカルニチンや、卵・乳製品に多く含まれるコリンなどから生じることが明らかにされています。

難消化性デンプンを含有する食品

難消化性デンプンは、熟していない青いバナナや、豆類、加熱調理済みのジャガイモやパスタが冷めたもの、全粒粉などに多く含まれています。

研究の方法

52人の男女に、難消化性デンプンを多量に含有する食事と少量に含有する食事を、糖質の摂取量を変えつつ、それぞれ2週間づつ続けてもらいました。

結果
TMAO

食事中に含有される糖質の量が多い(*)場合には、難消化性デンプンの摂取量が多くても少なくてもTMAOやカルニチンなどの血中濃度は増加していませんでした。

しかし、食事に含まれる糖質の量が少ない(†)場合には、難消化性デンプンの摂取量が多いと、難消化性デンプンの摂取量が少ない場合よりもTMAOやカルニチンなどの血中濃度が高くなっていました。

(*) 摂取カロリーに占める糖質の割合が51~53%。

(†) 摂取カロリーに占める糖質の割合が39~40%。
TMAO以外

食事中に含有される糖質の量が少ない場合には、難消化性デンプンを多く含む食事をしたときに食後のインスリンと血糖の応答が低下していました。 しかし、空腹時の血糖値・インスリン値・血中脂質に関しては、食事に含まれる糖質の量にかかわらず難消化性デンプンの影響が見られませんでした。

まとめ
  • 難消化性デンプンのみを食べる → 食後の血糖値とインスリン値に限り改善されるもののTMAOが増加する。
  • 糖質難消化性デンプンを一緒に食べる → TMAOは増加しないが、血糖値もインスリン値も改善されない。
結論
難消化性デンプンに空腹時の血中脂質の値を改善する効果が見られなかったという点も併せて、心血管代謝(*)という面に関しては難消化性デンプンの健康効果が疑問視されます。
(*) 心臓疾患や代謝疾患(糖尿病やメタボリック・シンドローム)に関与する。