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風邪やインフルエンザにかかっているときに風邪薬を飲むと心臓発作のリスクが3倍以上に増加する

(2017年2月) "Journal of Infectious Diseases" に掲載された台大医院(台湾)の研究によると、急性呼吸器感染症にかかっているときにNSAIDと呼ばれるタイプの解熱鎮痛剤を使用すると心臓発作のリスクが増加します。

急性呼吸器感染症とNSAID

急性呼吸器感染症とは風邪やインフルエンザなどのことです。 NSAID(非ステロイド系抗炎症薬)とはイブプロフェンやアスピリンなどのことで、市販の風邪薬の成分としても使用されています。 急性呼吸器感染症とNSAIDの使用は、それぞれが心臓病のリスク要因として知られています。

研究の方法

2005~2011年のあいだに心臓発作で入院した患者1万人近くのデータを用いて、急性呼吸器感染症とNSAID使用の心臓発作リスクへの影響を調べました。

結果
急性呼吸器感染症にかかっておらずNSAIDも使用していない場合を基準としたときの、心臓発作リスクの増加幅は次のようなものでした:
  • 急性呼吸器感染症だけ: 2.7倍
  • NSAIDの使用だけ: 1.5倍
  • 急性呼吸器感染症&NSAIDの服用: 3.4倍
  • 急性呼吸器感染症&NSAIDの静脈注射: 7.2倍
アドバイス

研究者は、風邪やインフルエンザになってNSAIDを飲もうとするときには、事前に医師に相談することを勧めています。

NSAIDではない市販の解熱鎮痛剤の成分にアセトアミノフェンというものがありますが、研究者によると、呼吸器感染症にかかったときにはNSAIDよりもアセトアミノフェンのほうが安全かもしれません。 ただし、アセトアミノフェンがもたらすリスクについては、今回の研究では調べていません。
妊娠中にアセトアミノフェンを服用すると胎児に悪影響(注意欠陥・多動性障害(ADHD)のリスク増加など)が生じる恐れがあります。
今後の研究しだいでは、同じNSAIDでも種類によって心臓発作のリスクの増加幅に差があることが明らかになるかもしれません。