心拍数が多いと糖尿病のリスクが増加

(2015年5月) "International Journal of Epidemiology" に掲載されたペンシルバニア州立大学の研究によると、糖尿病の発症リスクの判定に安静時の心拍数を用いることが出来るかもしれません。 この研究で心拍数が多かったグループにおいて糖尿病の発症率が高かったのです。

研究の方法
この研究では中国人男女 73,357人の安静時心拍数を測定したのち、4年間における糖尿病発症率を調査しました。
  • 血糖値の検査は2年おきに行いました。
  • 最初の検査の時点で糖尿病だった人はデータから除外されました。
  • 安静時心拍数は、5分間ほど安静を保った後に、仰向けの姿勢で心電図を用いて計測しました。
結果

4年間の追跡期間中に、17,463人が糖尿病前症になり、4,649人が糖尿病になりました。

心拍数が速かったグループでは、糖尿病になるリスク・糖尿病前症になるリスク・糖尿病前症から糖尿病へと進行するリスクが増加していました。 1分あたりの心拍が10回増えるごとに、糖尿病のリスクが23%増加していました。 23%のリスク増加というのは、BMIが3増える場合に増加する糖尿病リスクに相当します。
研究者によると、心拍数が多いのは自律機能(automatic function)が低下しているためである可能性があります。
留意点

今回の研究では、一回の空腹時血糖値検査のみに基づき糖尿病と糖尿病前症の診断を行いました(そのため診断が正確でない可能性がある)。

また、今回の研究の被験者はいずれも中国の鉱山会社の従業員でした。 そのため、今回のデータは何らかの点において偏っている可能性があります。ただし、今回の研究の一環として今回のデータと過去の7つの研究のデータ(社会的・文化的背景の異なる男女 97,653人)を統合した分析も行われており、その分析でも心拍数が多い人では糖尿病のリスクが59%増加するという結果になっています。