レスベラトロールが運動による心血管への健康効果を損なう?

(2013年7月) "The Journal of Physiology" に掲載されたコペンハーゲン大学の研究によると、少なくとも高齢の男性においては、赤ワインなどに含まれるレスベラトロールという抗酸化物質によって、運動が心血管(心臓と血管)の健康にもたらす効果が阻害される可能性があります。

レスベラトロールはアンチエイジング効果があるなどと言われてサプリメントも市販されていますが、今回の研究によると、レスベラトロールを豊富に含む食事をしている人では、運動による心血管への効果(血圧降下やコレステロール減少など)が損なわれる可能性があります。

過去の複数の研究で行われた動物実験では、レスベラトロールによって運動がもたらす心血管への健康効果が増幅されるという結果が出ていましたが、高齢の男性を対象に行われた今回の研究では、これまでと逆の結果になりました。

研究の方法

この研究では、65歳前後の運動不足の男性27人に、8週間にわたって高強度の運動をしてもらいました。 27人のうちの半分には、250mgのレスベラトロールを、そして、もう半分にはプラシーボ(二重盲倹法による)を、それぞれ毎日服用してもらいました。

結果

運動によって心血管の健康が非常に改善されていましたが、レスベラトロールを服用したグループでは、血圧・血中脂質・最大酸素摂取量など複数の点において運動の効果が減少していました。 過去の動物実験の結果と異なる今回の結果は、研究グループにとっても予想外でした。

解説

今回の研究により、抗酸化物質が万能薬などではなく、体が正常に機能するうえである程度の酸化ストレスが必要かもしれないという可能性が示唆されます。

つまり、老化や病気の原因になるとしてこれまで悪役にされるだけだった酸化ストレスが、運動などのストレスに対する健全な適応を引き起こすシグナルとして必要かもしれず、抗酸化物質の摂取によって酸化ストレスをゼロにしてしまうと、逆に体に良くない可能性があるというわけです。

研究者によると、250mgという今回の服用量はレスベラトーロールを食事から普通に摂取するよりも遥かに多い量です。