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バイクや選挙宣伝カーが撒き散らす迷惑な騒音で血糖値が上がる

(2017年6月) "European Heart Journal" に掲載されたインペリアル・カレッジ・ロンドンなどの研究によると、バイクや自動車などが引き起こす大気汚染だけでなく騒音も心臓病のリスクが増加する原因となる恐れがあります。

研究の方法

ノルウェーまたはオランダに住む成人男女14万人超のデータを用いて、自宅近辺の大気汚染と交通騒音の程度と心臓病のリスクの指標となる血中マーカー(*)との関係を調べました。
(*) 血中脂質・血糖値・C反応性タンパク質(CRP)。 血中脂質が高いと心臓発作になりやすい。 血糖値が高いと、糖尿病だけでなく心臓病や脳卒中のリスクも増加する。 C反応性タンパク質は炎症の指標。 慢性炎症は心臓病のリスクを含め、色々と体に悪い。ストレスによっても炎症が生じる。

データの分析においては、生活習慣・年齢・性別・教育水準・職業などの要因も考慮しました。 騒音の影響を分析するときには大気汚染を、大気汚染の影響を分析するときには騒音を考慮しました。

結果

騒音レベルが5dB(*)上がると血糖値が0.3%増加していました。 また、大気汚染レベルが10μg/m3上がると、血糖値が2.3%および中性脂肪値が10%増加していました。
(*) 参考までに、騒音公害と認定される騒音レベルの基準値は60dB。

交通由来の大気汚染物質のうち二酸化窒素(NO2)に限ると、NO2濃度が10μg/m3上がるとCRPが2.6%増加していました。

解説

研究チームによると、バイクや自動車などの騒音に長期間さらされることによって、身体面と精神面(*)の両方から心臓病のリスクが増加する恐れがあります。
(*) 騒音公害は大気汚染以上に精神的なストレスの原因となります。 精神的なストレスを感じたときに体内で生産されるストレス・ホルモンにより心臓病や脳卒中のリスクが増加することが知られています。

しかも、騒音の原因となるバイクやヘリコプターや飛行機は大気汚染の原因ともなるので、騒音公害の被害者は必然的に大気汚染と騒音公害の両方により心身の健康を蝕まれることになります。

これまでの研究では、交通騒音や航空機騒音により心臓発作・脳卒中・糖尿病・高血圧・抑鬱・結腸ガンなどのリスクが増加したり、腹部脂肪が増加しやすくなったりすることが示されています。

コメント

研究者は次のように述べています:
「今回の結果は、大気汚染と交通騒音の両方が人体にとって有害であるという科学的なエビデンスとなります。 国民の健康と幸福を保護するため、大気汚染と騒音公害の両方を引き起こすものをどうにかする政策を打ち出さなくてはなりません」
この研究者は「現在の社会はバイクやヘリコプターや選挙宣伝カーの騒音に対して寛容過ぎる。 騒音を発する乗り物を厳しく規制する必要がある」と言いたいに違いありません。