室温が高いとCOPDの症状が悪化。 室内の大気汚染がひどいと顕著

(2016年10月) "Annals of the American Thoracic Society" に掲載されたジョンズ・ホプキンス大学の研究によると、室温が高いと慢性閉塞性肺疾患(COPD)の症状が悪化するように見受けられます。 症状の悪化は、室内の大気汚染物質の濃度が高い場合に顕著でした。

研究の方法
1年のうち最も暑い時期に、米国ボルチモア市に住む中~重度のCOPD患者69人を対象に、以下を毎日行いました:
  • 呼吸器系の症状に関するアンケート(*)
  • 肺活量(肺機能)の測定。
  • COPDの症状を抑えるレスキュー吸入器の使用状況を記録。
(*) Breathlessness, Cough, and Sputum Scale(息切れ・咳・痰スコア)など。
さらに、PM2.5と二酸化窒素という2種類の大気汚染物質の室内濃度と、屋外の気温も調べました。
結果
主な結果は次の通りです:
  • 患者たちは1日の大部分を室内で過ごしていた。
  • 室内の気温が上昇するとCOPDの症状が悪化し、吸入器を使用することが増えていた。
  • PM2.5の室内濃度において上位25%以内に入っていた患者は、室温の上昇による症状の悪化がひどかった。 これに対して、PM2.5の室内濃度が下位25%以内の患者は、室温が上昇しても症状はさほど悪化しなかった。
  • 室温の上昇によるCOPD症状への影響は直ちに生じ、1~2日持続していた。
  • 室温や大気汚染物質の濃度は肺機能には影響していなかった。
  • 今回の試験に参加したCOPD患者の86%では、自宅にエアコンが設置されていたが、試験期間のうち37%において使用されていなかった。
  • 暑い日には、短時間を屋外で過ごすだけでも呼吸器症状が生じた。
今回の研究では室内のオゾン濃度を測定していませんが、過去の研究でボルチモア市のオゾン濃度が低いことが示されています。