悲しげな表情をしている男性は肥満者とみなされやすい

(2015年3月) "Frontiers in Psychology" に掲載されたペンシルバニア大学の研究によると、他人が肥満かどうかを(体重の数値などではなく)感覚的に判断するときには心理的な要因も絡んでくる可能性があります。 悲しげな表情をしている男性は肥満者だとみなされやすくなるというのです。
Weston TD, Hass NC and Lim S (2015). The Effect of Sad Facial Expressions on Weight Judgment. Front. Psychol. 6:417. doi: 10.3389/fpsyg.2015.00417
研究の方法

この研究では、様々な体重の人が悲しげな表情あるいは中立的な(悲しそうでも幸せそうでもない)表情をしているコンピューター画像960枚を用意して、48人の被験者に画像の人物が肥満かどうかを判断してもらいました。

結果

悲しげな表情をしている男性の画像はおしなべて、肥満と判断されやすくなっていました。 このように他人が肥満かどうかを判断するときにその人物の表情に影響されてしまう被験者は「肥満者は肥満であることを望んでいない」と考える傾向にありました。

「肥満者は自分が太っているのを悲しんでいる」と思っている人の頭の中では「肥満=悲しい」という図式が出来上がっているために、肥満者(BMIが30以上)であっても幸せそうな顔をしていれば肥満者ではないと思うし、BMI的には肥満に達していない程度の太り方の人でも悲しそうな顔をしていれば肥満者だと思うということなのでしょう。

実際に(客観的な基準に照らして)肥満しているのが健康にとって有害なのは明らかですが、他人に肥満と判断されてしまうのも社会的に不利になるのでしょうね。 出世競争において肥満者は自己管理能力が無いとみなされ不利になるという話を聞いたことがありますし、医学生の40%が肥満者に偏見を持っているという報告もあります。