最も安全なレベルの大気汚染でも腎臓病のリスクが増加?

(2014年11月) "ASN Kidney Week" で発表予定のミシガン大学の研究によると、腎疾患の発症に大気汚染が関与しているかもしれません。

米国内における慢性腎疾患(CKD)の罹患率には幅広い地域差がありますが、そのような地域差のうち個人的なリスク要因で説明できるのは一部に留まります。

研究の方法

大気汚染も CKD のリスクに関与しているかどうかを調べるために、2010年の Medicare の情報(110万人分のデータ)と、米国環境保護庁から入手した米国のすべての郡(州の下の行政単位)の大気の質に関するデータとを照らし合わせました。

結果
各郡における CKD の罹患率と大気汚染のレベルとのあいだに相関関係が見られました。 粒子状物質(PM)の濃度が 8.4μg/m3 という低い水準(*)であっても CKD 罹患率が増加していたのです。 一般的には、40μg/m3 超が高齢者など大気汚染に過敏な人にとって不健康だとみなされています。
(*)

環境省が運営しているそらまめ君という大気汚染物質監視システムの基準では、PM2.5 の汚染度が 10μg/m3以下(青色)のときに最も低い(安全な)汚染度だとされています。

参考までに、他の区分は次のようになっています: 11~15μg/m3(水色)、16~35μg/m3(緑色)、36~50μg/m3(黄色)、51~70μg/m3(オレンジ色)、71μg/m3 以上(赤色)

この相関関係は、年齢・糖尿病の有無・高血圧の有無などの CKD リスク要因を考慮した後にも存続しました。

コメント
研究者は次のように述べています:
「大気汚染が CKD のリスク要因であるとすれば、大気汚染が米国よりもひどい国では、大気汚染の影響は大変なことになるでしょう。 今後の研究で、大気汚染と CKD との関係を詳しく調査する必要があります」