菜食主義と腸内細菌と健康(レビュー)

(2019年5月) "Physicians Committee for Responsible Medicine(PCRM)" の研究グループが菜食主義を礼賛する菜食主義と腸内細菌と健康の関係についてまとめたレビューを "Frontiers in Nutrition" に発表しています。

PCRMについて

Wikipedia によると、Physicians Committee for Responsible Medicine(責任ある医療のための医師の会)は動物実験に反対し菜食主義を推進するNPO法人です。 動物実験反対と菜食主義の共通点は殺生を好まないということですね。

PCRMの会員数は15万人。 1985年に設立されました。 設立者は Neal D. Barnard というジョージ・ワシントン大学の研究者で、彼は今回のレビューにも参加しています。

レビューの要旨

  1. ベジタリアン(菜食主義者)やビーガン(乳製品すら摂らない完全菜食主義者)と普通の食生活を送る人とで腸内細菌の種類構成が異なることが知られている。
  2. 植物性食品を基本とする食生活はヒトの健康に有益である。 何故ならば、そうした食生活が安定的で多様性に富んだ腸内細菌叢を醸成するからだ。
  3. 食物繊維は植物性食品に特有の成分だが、その食物繊維は乳酸菌の増加に寄与する。 また、食物繊維からは腸内細菌の働きにより短鎖脂肪酸(SCFA)が作り出される。 SCFAの健康効果は病原体に対する免疫機能の向上・血液-脳関門の維持・腸の重要な機能の調節など多岐にわたる。
  4. 植物性食品にはポリフェノール類も豊富であるが、そんなポリフェノール類はビフィズス菌やラクトバチルス菌を増やしてくれる。 ビフィズス菌やラクトバチルス菌には、病原体や炎症を抑制する効果や心臓病/脳卒中を予防する効果がある。
  5. 菜食主義や完全菜食主義は、有益な腸内細菌を育成することによって、全身的な健康の促進に役立ってくれそうである。