サルコペニアには肉食と筋トレとグリシンで対抗しよう (レビュー)

(2018年6月) メルボルン大学の研究グループが "Meat Science" 誌に発表したレビューにおいて、サルコペニアの対策として肉を食べることを勧めています。
Gordon S. Lynch & René Koopman. "Dietary meat and protection against sarcopenia"

レビューの概要

  1. サルコペニアとは老化により筋肉が減り筋力が低下することである。 筋肉が減ると身体能力が損なわれて転倒のリスクが増加する。転倒で怪我をすると自立した生活を送るのが難しくなる恐れがある。
  2. 比較的容易に行えるサルコペニアの対策として食生活(特にタンパク質摂取量)の改善が挙げられる。 食生活の改善筋力トレーニングを組み合わせると良いだろう。

  3. ソーセージやハムなどの加工肉の摂取量が多いと心臓病・脳卒中・ガンのリスクが増加するというデータがあるが、生鮮の赤身肉や白身肉(鶏肉)であれば、このようなリスクの増加幅は相当に小さい。

    また、肉は必須アミノ酸や高品質な栄養分を含んでいるため、さほど大量に摂らなくても筋肉タンパク質の合成が増加することが男女ともに期待できる。

    したがって、適量の範囲内で生鮮肉を食生活に取り入れることが推奨される。

  4. サルコペニアに対抗するためのタンパク質補給の効果を制限するのが所謂(いわゆる)タンパク質同化抵抗性であるが、このタンパク同化抵抗性の緩和にアミノ酸の一種であるグリシンが有効かもしれない。

    細胞実験や動物実験ではあるが、アミノ酸の一種であるグリシンに①炎症を軽減する効果、②筋萎縮を緩和する効果、そして③タンパク質同化抵抗性を解除する効果のあることが示されている。

    したがってサルコペニア対策の一環として、高齢者がグリシンのサプリメントを飲んだり、食肉用の家畜のエサにグリシンを豊富に含有するもの(ゼラチンなど)を混入し(て食肉のグリシン含有量を増やし)たりするのも有効かもしれない。