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第二のSARS

(2012年9月) 英国で入院中の男性で、SARS(重症急性呼吸器症候群)に似た呼吸器の病気が発見されました。 SARSというのは、2003年に世界的に流行して数百人の死者を出した病気です。

この男性は49歳のカタール人で、サウジアラビアからカタールに帰国したあとカタールの病院で治療を受けていましたが、その後カタールから飛行機でロンドンの病院に移されました。

中東でも過去三ヶ月間のうちに呼吸器の重度の病気が何件か発生しており、そのうちの1人が英国で治療を受けていましたが既に亡くなっています。 オランダの専門家が遺伝子構造を調べた結果、99.5%の確率でこのケースと今回のケースは同じコロナウイルスによるものであると判定されました。

英国の当局は現在このコロナウイルスの危険度を判定中ですが、現時点ではこのウイルスが人から人へ感染する証拠はありません。

また、専門家たちもこのウイルスに関してさほど危機感を抱いていません。 SARSは病院の職員にまで瞬く間に感染しましたが、このウイルスはそうではなかったためです。

コロナウイルスに含まれるウイルスは数が多く、SARS の原因となるウイルスだけでなく普通の風邪のウイルスもコロナウイルスの一種です。 今回の症状の原因となったのは、これまでに確認された各種のコロナウイルスとは異なる新種のコロナウイルスです。

追記①

(2012年9月28日) WHO の発表によると、今回のウイルスは人から人へは簡単には移りません。 サウジアラビアやカタールへの渡航規制の勧告もなされません。

これまでにこのウイルスへの感染が確認された2人は腎不全になっていました。

欧州疾病予防対策センター(ECDC)によると、このウイルスは人畜共通感染症の可能性があり、動物から人に移ったのではないかと思われます。

追記②

(2012年11月20日) このウイルスの遺伝子を分析したところ、アジアに住むコウモリが保有するウイルスに近い遺伝子でした。 また、人から人へは感染せず、それぞれの患者は別途に動物から感染した可能性が高いそうです。

追記③

(2013年2月13日) このSARS様ウイルスの11人目の症例が英国で確認されました。 このウイルスはこれまで人から人へは感染しないと考えられてきましたが、英国の当局によるとこの患者は家族から感染した可能性があります。

この患者は SARS様ウイルスが発生している国々へのここ最近の海外渡航歴が無い一方で、SARS様ウイルスの患者と接触していたのです。 この患者が SARS様ウイルスに感染したのは持病(明らかにはされていませんが免疫力が下がるような病気でしょうか?)のためかもしれません。

英国当局の専門家によると、今回のケースにより SARS様ウイルスが人から人に感染することが強く疑われますが、感染のリスク(ウイルスの感染力ということでしょう)は非常に低いと考えられます。

WHOの関係者の話では、このSARS様ウイルスが人から人に感染しているケースは表沙汰になっていない、あるいはSARS様ウイルスが原因であると確認できていないだけで、他にも発生していると考えられます。

例えば昨年、サウジアラビアで1つの家族のうちの4人が病気になって、そのうち2人が死亡したケースや、ヨルダンで集中治療病棟の患者10人ほどが病気になったケースにしても SARS様ウイルスが原因かもしれません。

WHOによると、これらSARS様ウイルスが疑われるケースのいくつかでは、病気になった患者の世話をするなどの密接な物理的接触があったことが確認されています。

このウイルスは、感染力は弱そうであるものの死亡率は高く、これまでに発生した11の症例のうち5件で患者が死亡しています。

ミネソタ大学の研究者は、SARS様ウイルスが遺伝子変異によって強力な感染力を持つようになる可能性を指摘しています。 SARSウイルスが流行する前にも、今回のSARS様ウイルスと同様に、人から人への感染例がぽつりぽつりと報告されていたそうです。 何かのきっかけで、SARS様ウイルスもSARSのように流行する可能性があるというわけです。

WHOでは、SARS様ウイルスが中東以外の地域にも広がっていると推測しており、原因不明の肺炎に注意するようにと呼びかけています。