心臓の健康のために減らした飽和脂肪の摂取量を何で補うかが大切

(2015年9月) 飽和脂肪の摂取量を減らすのが心臓の健康に良いと言われていますが、"Journal of the American College of Cardiology" に掲載されたハーバード大学の研究によると、飽和脂肪の摂取量を減らした分のカロリーをどういった食品で摂るのかが問題です。

飽和脂肪を減らした分のカロリーを不飽和脂肪や全粒穀物で摂ると心臓疾患のリスクが減っていたのに対して、飽和脂肪を減らした分だけ精白穀物や単純炭水化物を食べる量を増やした場合には心臓疾患のリスクに変化が無かったのです。

研究の方法

糖尿病・心血管疾患・ガンではない約8万4千人の女性と約4万3千人の男性を対象に、24~30年間にわたって2~4年おきに普段の食事・生活習慣・病歴などに関するアンケートを実施しました。

食事内容に関するアンケートでは過去1年間を調査対象期間として、食品の種類ごとに食べる量と頻度や、調理やドレッシングに使用する油の種類を尋ねました。 また、血液検査を行って普段食べている脂肪の種類を確認しました。

結果
調査期間中に発生した冠動脈疾患の件数は 7,667件でした。 飽和脂肪の摂取量を5%減らしてその分のカロリーを他のカロリー源に切り替えたときの、カロリー源の種類と冠動脈疾患リスク低下との関係は次のようなものでした:
  • 多価不飽和脂肪(*) - 25%
  • 一価不飽和脂肪(†) - 15%
  • 全粒穀物 - 9%
  • 低品質な炭水化物(‡) - 0%

    (*) オメガ3脂肪酸などが多価不飽和脂肪。

    (†) ナッツ類に豊富に含まれる。

    (‡) グリセミック負荷が高い炭水化物ということでしょう。 パン・白米・糖類・ジャガイモなど。
ただし、飽和脂肪の摂取量を減らした場合にも、減らした分のカロリーを低品質な炭水化物で摂ってしまうというケースが一般的でした。
これまでの類似研究には飽和脂肪を減らした分のカロリーを何で摂ったかまで調べたものは殆どありませんでした。 過去の類似研究の結果が一致していないとすれば(実際にどうなのかは知りませんが)、それは飽和脂肪を減らした分のカロリーを何で補うかが異なっていたからかもしれません。
コメント
研究者は次のように述べています:
「食生活を改善しようとするときには、(飽和脂肪の摂取量を減らした分だけ)野菜油・ナッツ類・全粒穀物などを積極的に食べるようにすると良いでしょう」