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原始的な食生活で子供の炎症性腸疾患(IBD)を改善

(2016年12月) "Journal of Clinical Gastroenterology" に掲載されたシアトル子供病院などの研究によると、軽症~中等症の炎症性腸疾患(IBD)は食事内容の変更だけで症状を改善できる可能性があります。

IBDについて

IBDには、クローン病と潰瘍性大腸炎という2種類の病気が含まれます。 IBDの原因は明確には分かっていませんが、免疫系と腸内細菌の状態が関係しあっているのだと考えられています。

IBD患者では腸内細菌が免疫系の誤作動を引き起こすために免疫系が腸を攻撃してしまいます。 遺伝子的な要因が関与していると考えられていますが、明確なメカニズムはまだわかっていません。

研究の方法
軽症~中等症のIBDを患っている(*)10~17才の子供12人(男女半々)に12週間にわたって特定炭水化物食(S C D)と呼ばれる食事を続けてもらいました。
(*) 小児クローン病活動指数(PCDAI)と小児潰瘍性大腸炎活動指数(PUCAI)に基づいて判断した。
SCDについて

SCDは1930年代にセリアック病患者向けの食事法として開発されました。 SCDでは、穀物・芋類・デンプン質・加工食品・糖類(*)・乳製品(†)を食べないようにし、その一方で添加物が使用されていない(‡)野菜・果物(‡)・肉類・ナッツ類といった自然食品を積極的に食べます。

SCDのサイトを見ると、パレオ・ダイエットと同じ発想だと思われます(イモを排除する点が異なりますが)。 「狩猟採集時代の人類が食べていた食品のみを食べる」とあります。

(*) ハチミツは食べてもよい。

(†) 一部の(自然な)ヨーグルトとチーズは食べてもよい。

(‡) 添加物が使用されたり加工されたりしていないもの。 缶詰もNG。
結果

SCDを12週間続けることができた子供は12人中8人でした。 SCDの効果が出なかった子供が2人と、SCDを継続できなかった(副作用というわけではない)子供が2人いました。

当初にはPCDAIスコアの平均値が28.1、PUCAIスコアの平均値が28.3だったのが、SCDを12週間にわたり続けたのちには4.66.7にまで下がっていました。

SCDを始める前には大部分の子供で腸内細菌のバランスが崩れていましたが、SCDにより腸内細菌の種類構成に変化が生じました。 このことからSCDが腸内細菌に影響したためにIBDの症状が改善された可能性が考えられますが、この点については今後の研究で調べる必要があります。