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統合失調症患者の脳は統合失調症に抗っている

(2016年5月) "Psychology Medicine" 誌に掲載された研究によると、統合失調症患者の脳は自らを再編成して統合失調症に対抗する能力を有しています。 出典: Imaging Study Shows Promising Results for Patients with Schizophrenia

統合失調症では脳組織の量が全体的に減少しますが、最近の研究で脳の特定の領域に限っては組織の量が微妙に増加することが明らかになっています。

研究の概要

統合失調症患者98人の脳組織の量をMRIを用いて追跡調査して健常者83人と比較したところ、統合失調症患者の脳は組織の損傷が激しいものの、常に自らを再編成(reorganize)しようとしていました。 おそらく、自らを救おうとしているか、損傷を食い止めようとしているのだと思われます。

今回の発見から、脳の自助努力を統合失調症の治療に利用できる可能性が期待されます。

アブストラクト
プレスリリースの元となった論文のアブストラクトには次のようにあります:
「統合失調症患者のグループでは、大脳皮質の厚み(cortical thickness)が失われると常に他の領域の厚みが増加していた。 統合失調症の病歴が長い患者では皮質改善のパターン(健常者との差異の減少)が見られた。 側頭・辺縁(temporo-limbic)および前頭・頭頂(fronto-parietal)領域では皮質の厚みが減少していたものの、後頭領域では特に病歴が長い患者において厚みが増加していた。」