魚介類を週に1回食べることで劣化ペースが遅くなる記憶力の種類

(2016年5月) "Neurology" 誌に掲載されたラッシュ大学などの研究によると、 高齢者がオメガ3脂肪酸を豊富に含む魚介類(魚・エビ・カニ)などの食品を毎週食べることで、一部の認知機能(記憶力や思考力など)に限り低下を抑制できる可能性があります。 出典: Stave Off Cognitive Decline with Seafood

研究の方法

イリノイ州に住む認知症ではない高齢者915人(平均年齢81.4才)を平均5年間にわたり追跡調査しました。 追跡期間中には毎年、食生活に関するアンケートと認知機能(記憶力など)を調べるテストを実施しました。

グループ分け
魚介類の摂取量に応じて、高齢者たちを次の2つのグループに分けました:
  • 週に1回以上は魚介類を食べるグループ(平均で週に2回)
  • 魚介類を食べる頻度が週に1回未満のグループ(平均で週に0.5回)
結果
劣化ペースが緩和された認知機能
魚介類を週1回以上食べるというグループは魚介類をあまり食べないグループに比べて、追跡期間中に意味記憶力(*)があまり低下しておらず、知覚速度(†)の劣化ペースも緩和されていました。

(*) 言語的な情報に関する記憶力

(†) 文字・物体・パターンなどを素早く見比べる脳力。
劣化ペースが緩和されなかった認知機能
エピソード記憶(*)・ワーキングメモリー(†)・視空間能力(‡)については、両グループで違いが見られませんでした。

(*) 自分自身が体験したことを記憶する能力。

(†) 一時的な記憶力。

(‡) 物体の形状・位置や物体間の位置関係を把握する能力。
補足
  • 教育水準・運動量・喫煙習慣・知的に刺激的な活動の習慣など認知機能に影響すると思われる要因を考慮しても結果に変わりはありませんでした。
  • 魚介類の摂取量が多いと認知機能が衰えにくいという関係は、ApoE遺伝子的にアルツハイマー病のリスクが高くない(E4対立遺伝子の保有者でない)人で顕著でした。