生まれた季節と病気のリスクとの関係を裏付ける科学的な根拠

(2016年3月) "Allergy" 誌に掲載されたサザンプトン大学(英国)の研究により、アレルギー性疾患になるリスクと生まれた季節との関係を裏付けるDNAマーカーが発見されました。

生まれた季節が病気・身長・寿命などに影響する可能性が過去の様々な研究で示されていますが、その理由はこれまでほとんど知られていません。
研究の概要
英国のワイト島で生まれた人たちから採取したDNAサンプルを分析したところ、生まれた季節とエピジェネティックな変化(特にDNAのメチル化(*))との間に関係が見られ、18才になった時点でもエピジェネティックな変化が残っていました。
(*) 体内において化学物質がタンパク質や、DNA、その他の分子と結び付くこと。

研究チームはさらに、生まれた季節とアレルギー性疾患との間にエピジェネティックな変化が関わっていることを突き止め、秋生まれの人は春生まれの人よりもアトピー性皮膚炎のリスクが高くなることをオランダ人の子供たちのコホート(データ)を用いて確認しました。

コメント
研究者は次のように述べています:
「生まれた季節が人の一生に影響することが知られています。 例えば、秋や冬に生まれた人は喘息などのアレルギー性疾患にかかりやすくなります。 しかしながら今に至るまで、生まれた季節の影響がこんなにも長く続く理由はわかっていませんでした」
「エピジェネティックな変化はDNAに生じ、何年にもわたって遺伝子の発現(*)に影響を及ぼすことがあります。 次世代にまで影響する可能性すら考えられます。 今回の研究では、特定のエピジェネティックな変化・生まれた季節・アレルギー性疾患のリスクとの間に関係があることが明らかになりました」
(*) 遺伝子の設計図に基づいて体内で特定のタンパク質が作られること。
別の研究者は次のように述べています:
「生まれる季節によって病気のリスクが変わるというと星座占いのように思えるでしょうが、今回の研究によりその『星座占い』の科学的な根拠が得られました。 生まれる季節により変化する要因(気温・日照量・食事内容など)は様々なので、生まれる季節の影響を受けるとされる他の疾患や性質も今回明らかになったエピジェネティックな変化で説明できる可能性があります」