1~3月に懐妊すると生まれる子供に学習障害が生じやすい

(2016年9月) "American Journal of Epidemiology" に掲載されたグラスゴー大学などによる研究で、1~3月に懐妊すると生まれる子供に学習障害(LD)が生じやすいという結果になりました。

研究の概要

スコットランドに住む子供たち80万人超のデータを分析したところ、懐妊の時期が7月~9月だったグループでは子供に学習障害が生じる率が7.6%だったのに対して、懐妊の時期が1月~3月だったグループでは8.9%の子供に学習障害が見られました。

両グループのパーセンテージの差は、難読症などによる学習困難・自閉症・知的困難の発生率が生まれた季節によって違っていたためであり、視覚的/聴覚的障害や身体的な疾患などに起因する学習困難の発生率が生まれた季節によって違っていたためではありませんでした。

解説
ビタミンD不足が原因?
今回の結果となった理由として研究チームは、1~3月が冬季で日照時間が少なく、妊娠中にビタミンDが不足するのが原因だと考えています。 英国は緯度が高いので、1~3月にはビタミンDを作るのに必要な日光が不足します(ビタミンDは体が日光に当たると体内で合成されます)。
英国では 2012年の栄養ガイドライン以来、妊婦がビタミンDのサプリメントを服用することを推奨していますが、今回の研究データの子供たちは 2012年より前に生まれていました。

今回の研究ではビタミンD血中濃度を調べていませんが、過去に行われた複数の研究で、ビタミンDの欠乏により脳の発達に支障が生じることが示されています。 そして、妊娠してから最初の3ヶ月間は胎児の脳の発達にとって特に重要です。

インフルエンザが原因?
1~3月はインフルエンザのシーズンなので、妊娠中にインフルエンザに感染するのが生まれる子供に学習障害が生じやすくなる理由である可能性も考えられます。 ただし、最も可能性が高いと考えられるのはビタミンDの不足です。