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喉頭ガン患者はセレンの血中濃度が高いと生存率が高い

(2018年1月) "Plos One" に掲載されたポメラニア医科大学(ポーランド)などの研究で、喉頭ガン患者はセレン(セレニウム)の血中濃度が高いと生存率が高いという結果になっています。 セレンはミネラルの一種で、抗酸化作用を有することで知られます。

研究の方法

喉頭ガンと診断された直後の患者296人のセレン血中濃度を 2009~2013年に検査したのち、2016年6月まで生存状況を追跡調査しました。

そして、セレン血中濃度に応じてデータを4つのグループに分けて、グループ間で5年生存率を比較しました。

結果

5年生存率が、セレン血中濃度が最高(66.8~103.1μg/L)のグループでは82%だったのに対してセレン血中濃度が最低(30.3~50.0μg/L)のグループでは28.6%でした。

年齢と性別だけを考慮して分析すると、セレン血中濃度が最低のグループは最高のグループに比べて総死亡リスク(死因を問わない死亡リスク)が7倍という結果となりました。

年齢・性別に加えて喉頭ガンのステージやガン治療の内容まで考慮して分析しても、セレン血中濃度が最低のグループは最高のグループに比べて総死亡リスクが3倍に増加していました。

セレンについて

セレンは原子番号34の元素で硫黄に近い性質を持っています。 セレンはグルタチオン・ペルオキシダーゼという酵素の成分であり、脂質の代謝において重要な役割を果たすと考えられています。

セレンはミネラルの一種で抗酸化作用がありますが、必要量はごくわずかで摂取量が少しでも過剰であると毒性を発揮します。 適切な摂取量の幅が狭く適量を摂取するのが容易ではないというわけです。

これまでの研究では、セレンが欠乏(極度に不足)するとガンのリスク増加する一方でセレン摂取量が過剰であると糖尿病・前立腺ガン・早死にのリスクが増加する恐れがあることや、セレンが不足しても過剰であっても抑鬱のリスクが増加することが示されています。

セレン含有量が多い食品

セレンは穀物・卵・魚(マグロ類/カツオ/サバ/アジなど)に多く含まれています。 ナッツ類の一種であるブラジル・ナッツには、100gあたり200μg~6,800μg(産地により異なる)という極めて大量のセレンが含有されています。

セレンの推奨摂取量

日本人の食事摂取基準(2015年版)によると成人のセレン推奨摂取量は男性で30μg/日、女性で25μg/日(摂取量上限は400~460μg/日と330~350μg/日)です。

例えば鶏卵には32μg/100g、食パンには24μg/100gという具合に日常的な食品にも結構な量のセレンが含まれているので、普通の食生活を送っていればセレンが不足することはありません。 平均的な日本人のセレン摂取量は100μg/日です。