メンタル系の自己啓発書を好む人にはストレスや鬱症状が多い

(2015年11月) "Neural Plasticity" 誌に掲載された Centre intégré universitaire de santé et de services sociaux de l’Est-de-l’Île-de-Montréal (カナダ)などの研究で、メンタル面に関する自己啓発書を好む人はストレスを受けやすかったり鬱症状を示すことが多かったりするという結果になりました。

研究の方法
メンタル面に関する自己啓発書を好む15人と好まない15人から成る30人を対象に、ストレスへの反応性(唾液中のコルチゾール(*)濃度)・開放性・自己管理能力・外向性・共感力・感情の安定性・自尊心・抑鬱症状を調べました。
(*) ストレスに反応して分泌されるホルモン。
サブグループ
自己啓発書を好む15人はさらに2つのサブグループに分類されました。 サブグループの一方は性格面における問題の解消をテーマとする自己啓発書(*)を好む人たちで、もう一方はメンタル面における向上をテーマとする自己啓発書(†)を好む人たちでした。

(*) 「どうしていつもの自分のことばかりなのか? - ナルシシズムを直す方法」 や 「他人を許す方法: 許す勇気・許さない自由」 といったタイトルの本。

(†) 「あなたは自分で思ってる以上に強い人」 や 「悩み事に悩まされなくなる心の持ち方」 といったタイトルの本。
結果

自己啓発書を好まないグループに比べて、性格面での問題解消をテーマとする自己啓発書を好むサブグループは抑鬱症状が多く、メンタル面における向上をテーマとする自己啓発書を好むサブグループはストレスへの反応性が強いという結果でした。

コメント
研究者は次のように述べています:

「自己啓発書を読むために抑鬱やストレスが増えるのか、それとも抑鬱やストレスが多い人が自己啓発書を好むのかは不明ですが、とりあえず自己啓発書は期待通りの効果を発揮していないようです」

「というのも、自己啓発書を買う人に共通して見られる特徴として最も強かったのが『前年にも自己啓発書を買っている』というものだったからです。 自己啓発書が本当に有効であるなら、一冊買えば問題が解決される(翌年に類似本を再び買う必要はない)はずでしょう?」

「(ストレスや不安感を解消するための)自己啓発書を買うのであれば、信頼できる機関に所属する専門家が科学的に証明された事実を記したものを選ぶと良いでしょう」