高齢者がタンパク質を推奨摂取量より多く摂取しても効果はない

(2018年4月) "JAMA Internal Medicine" に掲載されたブリガム・アンド・ウイメンズ病院などによる研究で、身体機能(*)に支障がある男性高齢者がタンパク質の摂取量を推奨摂取量以上に増やしても筋力の維持などに効果がないという結果になりました。
(*) 一般的には、歩く・走る・階段昇降・椅子から立ち上がる・腕を肩より高く上げる・かがむ・家具を移動させるなどの動作。

研究の背景

米国の現行の栄養ガイドラインでは、タンパク質の推奨摂取量を「年齢や性別にかかわりなく体重1kgにつき0.8g/日」と定めています。

これに対して多くの専門家が「高齢者は筋肉を維持するのにもっと多くのタンパク質が必要ではないか?」と主張していますが、この点に関してしっかりと調べた研究はこれまで行われていませんでした。

そこで研究グループは今回、ランダム化比較試験という信頼性の高い研究方法でこの点を確認することにしました。

研究の方法

身体機能に支障が生じている高齢者男性(平均年齢73才)を次の4つのグループに分けて半年間を過ごしてもらいました:
  1. タンパク質を体重1kgあたり0.8g/日摂るグループ(テストステロンを補充する)
  2. タンパク質を体重1kgあたり0.8g/日摂るグループ(テストステロンを補充しない)
  3. タンパク質を体重1kgあたり1.3g/日摂るグループ(テストステロンを補充する)
  4. タンパク質を体重1kgあたり1.3g/日摂るグループ(テストステロンを補充しない)
エナント酸テストステロン100mgを週に1回。

結果

筋肉量・筋力・歩行速度・階段を昇る力・生活の質・疲労感・幸福度において、4つのグループの間で差が見られませんでした。

ただ、タンパク質摂取量を増やしたグループは摂取しなかったグループに比べて体脂肪の量が1kgほど減っていました。