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高齢者はナトリウム摂取量を増やしても死亡率に影響なし?

(2015年1月) "JAMA Internal Medicine" に掲載されたエモリー大学の研究で、71~80才の高齢者の場合には1日のナトリウム摂取量によって死亡率や心臓病などのリスクが大きく変わることはないという結果になりました。
ナトリウム摂取量(米国の場合)
平均的な米国人のナトリウム摂取量は1日あたり3.4gで、そのうちの3/4が加工食品や外食に由来しています。 米国心臓協会では現在のところナトリウム摂取量を1日あたり1.5gまでにすることを推奨しています。
研究の方法

この研究では、71~80才の高齢者 2,642人(女性51.2%。 白人61.7%、黒人38.3%)を対象に、食事内容に関するアンケートを実施したうえで、その後10年間にわたって追跡調査しました。

結果

追跡期間中に亡くなったのは881人、心臓疾患を発症したか脳卒中になったのは572人、心不全を発症したのは398人でした。

1日あたりのナトリウム摂取量に応じて3つのグループ(1.5g未満、1.5~2.3g、2.3g超)に分けて死亡率を求めたところ、ナトリウム摂取量が1.5g未満/日のグループの死亡率は33.8%、1.5~2.3g/日のグループは30.7%、2.3g超/日のグループは35.2%というもので、ナトリウム摂取量との死亡率の間に統計学的に有意となるほどの関係は認められませんでした。

摂取カロリー量やBMIを考慮しても、結果に大した違いは生じませんでした。

心臓疾患・脳卒中・心不全のリスクについても同様の結果でした。
結論
研究チームは結論として次のように述べています:
「高齢者においては、ナトリウム摂取量は10年間における死亡率と心血管疾患・心不全の新規発症のいずれとの間にも相関関係が認められなかった。 2.3g/日超のナトリウム摂取では死亡率が増加していたものの有意といえるほどではなかった」
ただし、米国心臓協会の会長は今回の結果を次のように解釈しています:
「今回の結果は、塩分摂取量が増えると死亡・心臓病・脳卒中のリスクも増えるという他の研究結果と合致します。 今回の研究から明確に言えるのはただ1つ『高齢者においては塩分摂取量を増やすことにより、これらのリスクが劇的に増加する』ということだけです」