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ビタミンB12のサプリメントは高齢者の神経・認知機能に効果なし?

(2015年7月) "American Journal of Clinical Nutrition" に掲載されたオックスフォード大学などの研究で、ビタミンB12が中程度に欠乏している高齢者がビタミンB12のサプリメントを服用しても神経的または認知的な機能への効果は無いという結果になりました。

ビタミンB12欠乏症

ビタミンB12欠乏症が重度であると神経系に問題が生じ、虚弱感・歩行障害・疲労感・手足のしびれ・抑鬱・認知障害(記憶障害など)などの症状が起こります。

ビタミンB12は肉類や乳製品などに含まれています。(参考記事: 人体が利用できない「偽の」ビタミンB12に注意
研究の背景

重度のビタミンB12欠乏症に関しては、貧血の有無に関わらずビタミンB12の投与が有効であるというエビデンスは明確です。 また過去の研究に、中程度のビタミンB12欠乏であっても神経機能と記憶力が衰えることを示唆するものが複数存在します。

しかし、ビタミンB12の欠乏が中程度で(ビタミンB12の欠乏による)貧血も生じていない人に対するビタミンB12投与の効果についてはよくわかっていませんし、ビタミンB12の投与が神経機能と記憶力の回復に有効かどうかも不明です。

研究の方法

この研究ではビタミンB12が中程度に欠乏しているが貧血ではない75才超の高齢者201人を被験者とする二重盲検試験を行いました。

試験期間は12ヶ月間で、201人を2つのグループに分けて一方のグループにはビタミンB12の錠剤を、もう一方のグループにはプラシーボの錠剤を毎日服用してもらいました。

試験期間が終わった時点で神経系の機能を測定する検査を行いました。 検査項目は、筋力・運動神経・認知機能・精神的な健康状態などでした。

結果

ビタミンB12のグループとプラシーボのグループとで、神経・認知機能の改善度に関して違いは見られませんでした。

研究チームによると、今回の試験は被験者数が比較的少なかったものの、ビタミンB12の服用に臨床的な効果があるならば結果に表れていたはずだと思われます。

ただし、用量がもっと多かったり服用期間がもっと長ければ神経・認知機能への効果が出ていた可能性もあります。 今回のビタミンB12服用量は安全とされる推奨摂取量の範囲内でした。