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高齢者へのビタミンD補給が転倒リスク低下に有効かも

(2015年8月) "Journal of the American Geriatrics Society" に掲載された Wake Forest Baptist Medical Center(米国)の研究によると、高齢者にビタミンDを補給することで転倒のリスクを減らせるかもしれません。出典: Vitamin D Supplements Could Help Reduce Falls in Homebound Elderly

高齢者の転倒

米国では自宅で暮らしている高齢者の3人に1人ほどが転倒します。 そして転倒の10%が深刻な外傷の原因となります。 転倒で外傷に至らなかった場合にも、転倒を恐れるために活動量が減少して自立した生活を送れなくなることがあります。

高齢者とビタミンD

筋肉機能と筋力の維持にはビタミンDが有益ですが、外出しない高齢者は食事内容が不十分であったり日光に当たることが少ないためにビタミンD不足に陥りがちです。 これまでにも複数の研究でビタミンDの補給により転倒のリスクを減らせる可能性が示唆されています。

研究の方法

この研究では、給食宅配サービスを利用している高齢者68人を被験者として5ヶ月間にわたるランダム化比較試験を行いました。

試験では、68人を2つのグループに分けて、一方のグループには10万IUのビタミンDを月に1度投与し、もう一方にはプラシーボを投与しました。

そして、転倒歴と転倒を恐れているか否かを調べ、試験期間の最初と最後にビタミンD血中濃度を計測し、試験期間中の転倒状況を記録しました。

結果

ビタミンDを投与されたグループの転倒率は、プラシーボのグループの約半分でした。

ビタミンD血中濃度の変化

試験開始時の計測では、被験者の半数超がビタミンD不足(血中濃度が 20 ng/ml 未満)で、ビタミンD血中濃度が理想的な状態(30 ng/ml 以上)にあったのは1/4未満でした。

ビタミンDを投与されたグループ(34人)では、5人を除いてビタミンD血中濃度が 30 ng/ml 以上となりました。 ビタミンD投与にも関わらず血中濃度が 20 ng/ml 以上にならない人も1人いました。
コメント
研究者は次のように述べています:
「今回の予備的な試験の結果は有望でしたが、もっと大規模な試験で今回の結果を確認する必要があります」
ビタミンD不足は鬱症状の原因ではなく結果?」によると、ビタミンDの過剰服用によって転倒・骨折のリスクが増加するという結果になった研究も存在するようです。