閲覧以外で当サイトのコンテンツを利用する場合には必ず引用・転載・ネタ探しをするときのルールに目を通してください。

抗酸化物質「セレン」の血中濃度が高い人はコレステロール値に異常?

(2017年9月)"Clinical Nutrition" 誌に掲載された山東大学(中国)の研究で、抗酸化物質として知られるセレン(セレニウム)の血中濃度が高い人は脂質異常症のリスクが高いという結果になりました。

研究の方法

中国の田舎に住む男女8千人超のセレン血中濃度・コレステロール値・中性脂肪値を検査しました。

結果

セレン血中濃度の平均値は120μg/Lでした。

セレン血中濃度が高いと総コレステロール値・HDLコレステロール値・中性脂肪値・LDLコレステロール値が高いという関係が見られました。

セレン血中濃度に応じてデータを5つのグループに分けて脂質異常症のリスクを比較したところ、セレン血中濃度が最高のグループ・4番目に高いグループ・3番目に高いグループは、高総コレステロール血症高LDLコレステロール血症のリスクがセレン血中濃度が最低のグループに比べて高くなっていました。

セレン血中濃度が高いと脂質異常症のリスクが高いという関係は、閉経後の女性(リスクが2.7倍)と糖尿病患者(リスクが9.4倍)で顕著でした。

留意点

ランダム化比較試験を今後おこなって今回の結果を確認する必要があります。

セレンについて

セレンは原子番号34の元素で硫黄に近い性質を持っています。 セレンはグルタチオン・ペルオキシダーゼという酵素の成分であり、脂質の代謝において重要な役割を果たすと考えられています。

セレンはミネラルの一種で抗酸化作用がありますが、必要量はごくわずかで摂取量が少しでも過剰であると毒性を発揮します。 適切な摂取量の幅が狭く、適量を摂取するのが容易ではない抗酸化物質です。

これまでの研究では、セレンが欠乏(極度に不足)するとガンのリスク増加する一方でセレン摂取量が過剰であると糖尿病・前立腺ガン・早死にのリスクが増加する恐れがあることや、セレンが不足しても過剰であっても抑鬱のリスクが増加することが示されています。

セレン含有量が多い食品

セレンは穀物・卵・魚(マグロ類/カツオ/サバ/アジなど)に多く含まれています。 ナッツ類の一種であるブラジル・ナッツには、100gあたり200μg~6,800μg(産地により異なる)という極めて大量のセレンが含有されています。

セレンの推奨摂取量

日本人の食事摂取基準(2015年版)によると成人のセレン推奨摂取量は男性で30μg/日、女性で25μg/日(摂取量上限は400~460μg/日と330~350μg/日)です。

例えば鶏卵には32μg/100g、食パンには24μg/100gという具合に日常的な食品にも結構な量のセレンが含まれているので、普通の食生活を送っていればセレンが不足することはありません。 平均的な日本人のセレン摂取量は100μg/日です。