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セレンが不足している乳ガン患者はセレンを補給すると生存率がアップするかも

(2017年10月) "Breast Cancer Research and Treatment" 誌に掲載されたポメラニア医科大学(ポーランド)の研究で、ミネラル類の一種であり抗酸化作用があることで知られるセレン(セレニウム)の血中濃度が低い乳ガン患者は死亡リスクが高いという結果になりました。 セレンが不足している乳ガン患者には、セレンの補給が有益かもしれません。

研究の方法

原発性の浸潤乳ガンと初めて診断された女性546人を対象に、乳ガンの治療を開始する前の時点でセレン血中濃度を調たのち、平均3.8年間にわたり生存状況を追跡調査しました。

そして、セレン血中濃度に応じてデータを4つのグループに分けてグループ間で死亡リスクを比較しました。

結果

セレン血中濃度が最も低かった(64.4μg/L未満)グループの生存率は68.1%、セレン血中濃度が最も高かった(81.0μg/L超)の生存率は82.5%でした。

死亡リスクに影響する様々な要因を考慮すると、セレン血中濃度が最低のグループは他の3つのグループを併せたグループに比べて死亡リスクが2.5倍であるという計算になります。

喫煙歴がある患者に限ると、セレン血中濃度が最低の場合に死亡リスクが6倍に増加していました。

セレンについて

セレンは原子番号34の元素で硫黄に近い性質を持っています。 セレンはグルタチオン・ペルオキシダーゼという酵素の成分であり、脂質の代謝において重要な役割を果たすと考えられています。

セレンはミネラルの一種で抗酸化作用がありますが、必要量はごくわずかで摂取量が少しでも過剰であると毒性を発揮します。 適切な摂取量の幅が狭く、適量を摂取するのが容易ではない抗酸化物質です。

これまでの研究では、セレンが欠乏(極度に不足)するとガンのリスク増加する一方でセレン摂取量が過剰であると糖尿病・前立腺ガン・早死にのリスクが増加する恐れがあることや、セレンが不足しても過剰であっても抑鬱のリスクが増加することが示されています。

セレン含有量が多い食品

セレンは穀物・卵・魚(マグロ類/カツオ/サバ/アジなど)に多く含まれています。 ナッツ類の一種であるブラジル・ナッツには、100gあたり200μg~6,800μg(産地により異なる)という極めて大量のセレンが含有されています。

セレンの推奨摂取量

日本人の食事摂取基準(2015年版)によると成人のセレン推奨摂取量は男性で30μg/日、女性で25μg/日(摂取量上限は400~460μg/日と330~350μg/日)です。

例えば鶏卵には32μg/100g、食パンには24μg/100gという具合に日常的な食品にも結構な量のセレンが含まれているので、普通の食生活を送っていればセレンが不足することはありません。 平均的な日本人のセレン摂取量は100μg/日です。