2種類のビタミンBと前立腺ガンや乳ガンの発症リスク

(2019年4月) "Cancer Causes & Control" 誌に掲載されたスウェーデンの研究で、ビタミンB12や葉酸塩(ビタミンB9)の血中濃度と前立腺ガンや乳ガンの発症リスクとの関係が調査されています。

葉酸塩もビタミンB12も細胞の成長と分裂にとって重要なビタミンです。 これらのビタミンの血中濃度が不適切だと大腸ガン・膵臓ガン・肺ガン・子宮頸ガンなどの悪性腫瘍のリスクが増加することが過去の研究で示されています。

研究の方法

スウェーデンに住む男性 8,783人および 女性 19,775人を対象に、ビタミンB12や葉酸塩の血中濃度を調べたのち平均で13年間(男性)および14年間(女性)にわたり前立腺ガンや乳ガンの発症状況を追跡調査しました。

結果

追跡期間中に703人(*)の男性が前立腺ガンになり、795人の女性が乳ガンになりました。

(*) 8,783人中703人はずいぶんと多いように感じますが、検索で調べてみると、米国では一生のうちに10人に1人が前立腺ガンになります。 1992年には10人に2.4人ほどだったのが 2016年には10人に1人。

英国は逆にここ20年のうちに罹患率が大幅に増加しており、1993年には10人あたり1.2人未満だったのが 2015年には10人あたり1.7人ほど。

前立腺ガン

葉酸塩の血中濃度が5~32nmol/Lの範囲にあるグループに比べて、血中濃度が高い(32nmol/L超)グループは前立腺ガンのリスクが88%低く、血中濃度が低い(5nmol/L未満)グループは転移性前立腺ガンのリスクが425%増加していました。 ビタミンB12と前立腺ガンになるリスクとの間には関係が見られませんでした。

乳ガン

空腹時に血中濃度を調べた6千人超のデータに限ると、葉酸塩血中濃度が高い(32nmol/L超)グループで乳ガンのリスクが47%増加していました。 ビタミンB12と乳ガンになるリスクとの間には関係が見られませんでした。
空腹時の血中濃度でのみ乳ガンのリスクとの間に関係が見られた理由について研究グループは解説していません。 「今後の研究では血液を採取したのが空腹時か非空腹時かにも注意する必要がある」とだけ述べています。