ビタミンD が重症妊娠高血圧腎症の予防に有効かも

(2014年1月) "Epidemiology" 誌オンライン版に掲載されたピッツバーグ大学の研究によると、妊娠開始初期の26週間のあいだにビタミンDが欠乏していると、妊娠高血圧腎症(preeclampsia)になるリスクが増加すると考えられます。

妊娠高血圧腎症とは高血圧とタンパク尿を特徴とする疾患で、命に関わることもあります。 ビタミンD は骨の健康だけでなく、高血圧を含む様々な疾患への関与が指摘されています。
研究の方法

この研究では、1959~1965年に米国の12の地域で採取された血液サンプルの中から、妊娠高血圧腎症を発症した妊婦700人および発症しなかった妊婦 3,000人のものを抽出してビタミンD血中濃度を調べ、妊娠高血圧腎症の発症リスクと照らし合わせました。 血液の保存状態が良かったため、採取から数十年後にもビタミンDの血中濃度を試験することが可能でした。

結果

ビタミンDの血中量が十分な妊婦では重症妊娠高血圧腎症になるリスクが40%減少していました。 3,700人全体における重度の妊娠高血圧腎症のリスクは0.6%でした。 軽症妊娠高血圧腎症については、ビタミンDとの間に関係が見られませんでした。 妊娠高血圧腎症は、重症のものと軽症のものとで原因が異なると考えられています。

この結果は、人種・妊娠前のBMI ・妊娠歴・喫煙習慣の有無・食生活・運動習慣・日光に当たる時間などの要因を考慮したうえでのものです。

解説
研究者は次のように述べています:
「重症妊娠高血圧腎症は(軽症のものに比べて)母子へのリスクが高くなります。 そのように危険な疾患のリスク要因の中にビタミンD不足のように簡単に解消できるものがありそうだというのは非常に期待が持てます」
ただし研究者によると、重症妊娠高血圧腎症を予防する目的でのビタミンD服用が一般に推奨されるのは、最近の人の血液サンプル(今回の研究に用いられた血液サンプルが昔の人のものだったので)を用いて今回と同様の結果となることを確認したうえで、さらに確認用の研究を重ねて行ってからになります。
「重症妊娠高血圧腎症に対するビタミンDの効果がこのようにして確認されるまでは、今回の結果をあてにしてビタミンDを飲んだりしないでください」