わずかな亜鉛不足でも消化不良の原因に

(2016年6月) "British Journal of Nutrition" に掲載されたミュンヘン工科大学の研究によると、皮膚の異常や疲労感などの症状が表れない程度のわずかな亜鉛不足であっても、膵臓の機能が妨げられて消化能力に支障が生じる恐れがあります。出典: A diet lacking in zinc is detrimental to human and animal health

研究の概要

離乳したばかりの子豚48匹を8つのグループに分け、亜鉛を様々な量で含有する何種類かのエサを8日間にわたり与えて初期の亜鉛欠乏症にさせたところ、亜鉛が不足した子豚では膵臓内の消化酵素の量が減っていました。

解説

今回の研究によると、症状が表れない程度の短期的な亜鉛不足であっても消化能力に悪影響が生じかねません。 ブタとヒトは体の仕組みが似ているので、今回の結果はヒトにも当てはまると思われます。

亜鉛が不足すると食欲が衰えることが動物実験で示されており、その原因として亜鉛不足が迷走神経に影響するからではないかなどと考えられてきましたが、今回の研究からすると、亜鉛不足で食欲が衰えるのは単に、消化酵素の不足によって食べたものが未消化のまま消化管内に残っているためかもしれません。
過去の研究では、症状が表れない程度の亜鉛不足であっても炎症が増大し免疫力が衰えることが示されています。
アドバイス

亜鉛は体内に少量ずつしか貯蔵されないので、食事でこまめに補給する必要があります。 例えば子豚の場合には、亜鉛不足の食事がわずか10日続くだけでも亜鉛不足の症状が表れます。

したがって亜鉛不足には毎日のように注意する必要があります。 研究者は卵を毎日1つか2つ食べることを推奨しています。 特に高齢者やベジタリアンは亜鉛不足に注意が必要です。