睡眠不足によって健康な人でも糖尿病体質になる

(2012年10月) "Annals of Internal Medicine" に掲載された米国の研究により、睡眠不足になると、脂肪細胞が肥満や糖尿病の人の脂肪と同じように振る舞い始めることが明らかになりました。

研究の方法

健康な成人のグループを対象に臨床研究を行いました。 期間は8日間で、そのうちの4日間は睡眠時間を4.5時間にし、残りの4日間は睡眠時間を8.5時間にしました。 食事の内容と運動の量は8日間を通して一定でした。 4日間のサイクルが終わるごとに、各被験者から組織のサンプルを採取し分析しました。

結果

睡眠時間が4.5時間だった4日間の後には、健康であるはずの被験者の脂肪組織のサンプルが肥満や糖尿病の人たちから採取したサンプルに著しく類似していました。 睡眠時間が短かったときの被験者の組織サンプルでは、インスリン感受性が通常の人に比べて30%低下して肥満や糖尿病の人たち並みにまで落ちていたのです。

睡眠不足と糖尿病リスク
睡眠が不足するとインスリン抵抗性・肥満・2型糖尿病などのリスクが増加することは、以前から知られていました。 例えば、今回の研究の少し前に発表された研究では、毎晩の睡眠時間を増やしたティーンエイジャーでインスリン抵抗性が改善し、将来の糖尿病の発生を防止できる可能性が指摘されています。 また、2010年5月に行われた別の研究でも、睡眠時無呼吸症候群により睡眠の質が下がることで、代謝が変化してインスリン抵抗性が増加することが示唆されています。