腸の健康は免疫力よりも腸内細菌によって維持されている

(2013年8月) 腸の上皮細胞は SIGIRR というタンパク質を作り出しており、このタンパク質が腸内細菌に対する免疫応答を抑制(人体が腸内細菌をバイキンとして排除しないようにしているとということでしょう)していますが、"PLOS Pathogens" 誌に掲載された研究においてカナダの研究グループが SIGIRR を取り除いて免疫力を強化したところ、腸内の感染症に対する効果も一応はあったものの、それ以上に(善玉の)腸内細菌が死んでしまいました。

腸内細菌は、外部から侵入してくる病原菌と、栄養分および居住空間の取り合いをしています。 病原菌の中には人体の免疫系への耐性を持つものがいるので、腸内細菌がいなければ、このような病原菌は瞬く間に腸を占拠し、感染症や炎症性大腸疾患(IBD)を引き起こします。

SIGIRR は免疫応答を抑えることによって、腸内を善玉腸内細菌が住める環境にしてくれているのです。 研究者は次のように述べています:
「腸内細菌にしっかり働いてもらうには、抗生物質の使用をなるべく控えるとか、乳酸菌を摂取するなどして腸内細菌に適した環境を維持することが必要です」