(2018年1月) "Obesity" 誌に掲載されたレスター大学(英国)の研究で、座って過ごす時間が長くても身体活動習慣があれば腹部や肝臓内の脂肪は増えていないという結果になりました。
「座って過ごす」とは?
「座って過ごす(sedentary behaviour)」とは、目覚めて活動しているときにエネルギー消費が安静時と同程度(1~1.5METs)の活動をして過ごすことです。
具体的には、テレビ・PC・ゲーム機の使用や、デスクワーク、読書、自動車の運転などが座って過ごす」のに該当します。 寝そべって過ごすのも「座って過ごす」時間に含めるのが一般的です。
腹部脂肪について
「腹部脂肪=内臓脂肪+腹部の皮下脂肪」です。 腹部の皮下脂肪よりも内臓脂肪のほうが健康への悪影響が強いと言われています。研究の方法
2型糖尿病になる恐れが強い平均年齢64才の男女124人(平均BMI31.8。65%が男性)を対象に、次の3点を調査しました:- 座って過ごす時間の長さ
- 中程度の激しさの身体活動の量(加速度計を用いて計測)
- 体脂肪の量(MRIで測定)
結果
座って過ごす時間が1日あたり60分増えるごとに、腹部脂肪が1.74L、内臓脂肪が0.62L、皮下脂肪が1.14L、および肝臓脂肪が1.86%多くなっていました。
身体活動の量を交えて分析すると、座って過ごす時間が長いと腹部脂肪・内臓脂肪・皮下脂肪が多かったのは、十分な身体活動の習慣(*)が無い場合だけでした。
(*) 中程度の激しさの身体活動を週に150分間超。