閲覧以外で当サイトのコンテンツを利用する場合には必ず引用・転載・ネタ探しをするときのルールに目を通してください。

座っている時間を減らすと老化が抑制される

(2014年9月) "British Journal of Sports Medicine" に掲載された研究によると、座って過ごす時間を減らすことによって DNA の老化を抑制し寿命を延ばせる可能性があります。

座る時間を減らすことでテロメアという染色体の先端に存在し、老化の指標として用いられる部分の長さが回復するというのです。

研究の方法

この研究では、60才代後半で、座っている時間が長く過体重の男女49人を2つのグループに分けて、一方のグループにのみ半年間にわたって運動プログラムに参加してもらい、もう一方にはそれまでの生活を続けてもらいました。

各自がつける日記と歩数計による計測で運動量を調査し、実施したアンケートから座って過ごす時間を割り出しました。

結果

座って過ごす時間はどちらのグループでも減っていましたが、運動時間と1日あたりの歩行量は運動したグループの方が増えていました。(運動をしないグループも生活習慣を改善するための講習を受けるくらいはしたのでしょうか) 体重も運動グループの方が大きく減っていました。 心臓疾患と脳卒中のリスク要因は両グループで改善していましたが、運動グループの方が改善幅が増えていました。

このように、運動にダイエット効果や健康効果があることは明らかでしたが、テロメアの長さにとっては運動量よりも座って過ごす時間の長さの方が重要であるようでした。

この半年間の前後2回において赤血球に存在するテロメアの長さを調べたところ次のような結果だったのです:
  • 歩行量とテロメアの長さの間には関係性が見られなかった。(歩行量が多い人ほどテロメアが長いというわけではなかった)
  • 運動(中強度の運動)の量が増えた人の方がむしろテロメアの長さが短い(つまり老化が進んでいる)傾向にあったが、統計的に有意と言えるほどではなかった。
  • 運動をしたグループに限り、座って過ごす時間が減った人ではテロメアの長さが有意に回復していた。
研究者は次のように述べています:
「高齢者においては運動量を増やすよりも座っている時間を減らす方が大切ではないかと思われます」
注意点
今回の研究は、被験者数が少ないうえに、調査対象となったのが赤血球のテロメアだけであるため、筋肉や脂肪細胞に存在するテロメアも調査対象する大規模な研究を行って今回の結果を確認する必要があります。