座っている時間が長いのは心臓にも良くない③

(2015年3月) 米国心臓学会(American College of Cardiology)の第64回年次会合で発表される予定のウィスコンシン医科大学の研究で、運動習慣があっても座って過ごす時間が長い人では冠動脈石灰化が多く見られるという結果になりました。 冠動脈の石灰化が進んでいると心臓発作のリスクが増加します。
冠動脈石灰化
冠動脈石灰化というのは冠動脈(心臓い酸素と栄養を供給する動脈)の内部に蓄積するプラークに含まれているカルシウムの量のことで、心臓のCTスキャンにより計測されます。 冠動脈にプラークが蓄積して動脈が細くなると冠動脈疾患になります。

今回の結果から、座って過ごす時間が長いことによる悪影響を運動では相殺しきれないことが示唆されます。

研究の方法

この研究では、米国ダラス市に在住の成人2千人超(心臓発作または脳卒中の病歴がある人は含んでいない)の身体活動に関するデータを分析しました。 データに含まれていたのは、心臓スキャンの結果と、座っている時間の長さおよび運動量でした。

座っている時間の長さと運動量は加速度計という計器で計測しました。 加速度計は腕時計のように装着する計器で、人体の運動量を客観的に測定することが出来ます。

結果

被験者たちが座って過ごす時間は1日あたり2~12時間(平均5時間超)でした。 年を取っている人や、BMIが高い人、糖尿病の人、高血圧の人が座っている時間が長い傾向にありました。

1日あたりの座って過ごす時間が1時間増えるごとに、冠動脈石灰化の程度(Coronary artery calcification burden)が14%増加していました。 この結果は、心臓疾患の諸リスク要因(婚姻状態・年収・喫煙習慣・コレステロールなど)および運動時間を考慮したうえでのものです。
コメント
研究者は次のように述べています:
「運動が健康にとって大切なのは明らかですが、今回の研究によると(運動に加えて)座って過ごす時間を減らすのが心血管リスク(心臓発作や脳卒中のリスク)を低下させるうえで有効だと思われます。 座って過ごす時間を1日あたり1~2時間減らすと良いでしょう」