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6つの健康習慣のうち4つを実践できていると心臓病や脳卒中になりにくい

(2017年3月) "Journal of the American College of Cardiology" に掲載された北京大学などの研究で、生活習慣と心血管疾患(心臓病や脳卒中)になるリスクとの関係が調査されています。

研究の方法
中国に住む30~79才の男女46万人超(*)の生活習慣を調べたのち7.2年間(中央値)にわたり心血管疾患の発生状況を追跡調査したデータを用いて、6つの健康習慣と虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞など)あるいは虚血性脳卒中(†)になるリスクとの関係を調べました。

(*) 追跡開始の時点では心血管疾患・ガン・糖尿病の病歴がなかった人たち。

(†) 血管が破れるのではなく詰まるタイプの脳卒中。脳卒中全体の85%を占める。
6つの健康習慣
上記の「6つの健康習慣」とは次のようなものです:
  1. 煙草を吸わない(喫煙習慣が無い、または病気以外の理由で禁煙した)。
  2. アルコール摂取量が1日あたり30g未満(350mlの缶ビールを2本程度まで)。
  3. 身体活動量が世間並以上。
  4. 食生活が健康的である。 野菜と果物をよく食べる一方で、赤身肉はあまり食べない。
  5. BMIの区分に基づき、太り過ぎでも痩せ過ぎでもない。
  6. ウェスト:ヒップのサイズの比率(腹部脂肪の指標)が男性では0.9未満、女性では0.85未満。
結果

追跡期間中に、3千件超の虚血性心疾患と1万9千件超の虚血性脳卒中が発生しました。

6つの健康習慣のいずれか1つでも実践できている場合には、虚血性心疾患および虚血性脳卒中のリスクが下がっていました。

6つの健康習慣のうち4つ以上を実践できているグループは、健康習慣を1つも実践できていないグループに比べて、虚血性心疾患のリスクが58%、虚血性脳卒中のリスクが39%低くなっていました。

解説

これまでの研究でも、今回の「6つの健康習慣」が心血管の健康に良いことが示されています。 野菜・果物の摂取量が多く赤身肉の摂取量が少ないと心血管疾患になりにくいというデータも、体脂肪(特に腹部脂肪)が多い人は心臓病になりやすいデータも豊富に存在します。

飲酒

ただし飲酒については、適量の飲酒が心血管の健康に良いという研究と適量の飲酒であっても心血管に悪影響を及ぼすという研究が混在しています。 大量の飲酒は明らかに、心血管に限らず健康全般にとってマイナスです。

運動

また運動についても、適度に体を動かすのは心血管に限らず健康全般にとって有益ですが、「激しすぎる運動は心血管の健康にとって逆効果だ」という研究があります。

その一方で複数の研究により、軽い運動でも心血管の健康に有効であることや、座って過ごす時間を減らすだけでも心臓の健康にとって有益であることが示されています。 「座って過ごす時間を減らす」といっても一ヶ所に立っているだけではダメなので、軽い作業をして動き回っている時間を増やすのが良いということになります。

運動習慣は中年以降になってからでも始めることができますし、中年以降でも運動が健康にプラスであることを示す研究もありますが、ことさらに運動に時間を割くのではなく日常生活の中で運動量を増やすだけでも心血管などの健康にとってプラスになるようです。 「エレベーターの代わりに階段を使ったり、自家用車の代わりに自転車や電車・バスを使ったりするだけでも良い」とアドバイスする専門家もいます。

睡眠時間とストレス
「6つの健康習慣」以外では、睡眠時間やストレスなどの精神状態も心血管疾患のリスクに影響するかもしれません。 睡眠時間が長すぎたり短すぎたりする場合や睡眠の質が低い人は心血管疾患のリスクが高いという研究や、仕事や家庭でのストレスが多い人は心臓病や脳卒中になりやすいといった研究があります。 交通渋滞のストレスが心臓の健康に悪影響を及ぼすという話もあります。