加齢により肌の再生能力が衰えるメカニズム

(2013年6月) 英国の大学と P&G 社がコンピューターによるシミュレーションを行った結果、肌を再生するための資源が有限である確率が最も高くなりました。

肌には「休眠中の」幹細胞のストックがあり、皮膚が再生されるたびに、そのストックの残量が徐々に減っていくというのです。 研究者は次のように述べています:
「(3つの仮説のうちで)最も蓋然性が高いのは、肌の最下層に「休眠中の」幹細胞があり、この幹細胞は常に細胞分裂しているのではなく、肌がダメージを受けたとき、あるいは肌の(表層の)成熟細胞の数が減ったときに分裂して肌を再生するという説です」
この仮説によると、休眠中の幹細胞(以下、「休眠幹細胞」)が肌の再生に使用されるたびに、これらの幹細胞の一部に休眠状態に戻らないものが出てくるために、休眠幹細胞のストックが徐々に減っていきます。 そのために、年を取るに連れて肌の再生力が衰えていく(再生に時間がかかる)と考えられます。
この仮説によれば、紫外線や傷などで皮膚を頻繁に再生した人ほど皮膚の再生力が落ちるのが早いということになりますね。 日焼け止めを日常的に使用すると肌の老化が鈍化するのも、そのためでしょうか。 休眠幹細胞のストックというのは、体全体で共通なのでしょうか? それとも、腕や顔など、体の部分ごとに分かれているのでしょうか? 例えば、手に頻繁に引っ掻き傷を負う人は、顔の肌の再生能力も早く衰えるのでしょうか?
基底細胞ガンなど皮膚ガンの原因も、紫外線や慢性的な傷によって休眠幹細胞に変異が起こるからかもしれません。
「変異を抱えた休眠細胞も、休眠していればガンが発生しないまま何年も経過するが、皮膚に傷を負うなどの原因で休眠細胞が分裂を開始したときにガンを発症すると考えられます」