塩分の多い食事が皮膚の感染症に対して有効?

(2015年3月) "Cell Metabolism" 誌に掲載されたレーゲンスブルク大学(ドイツ)などの研究によると、人によっては塩分の多い食事が皮膚の感染症に対して有効かもしれません。 この研究でマウスに塩分の多い食事を与えたところ、皮膚に蓄積する塩分の量が増えて皮膚に感染する寄生虫に対する免疫応答が強化されたのです。

研究のきっかけ
塩分の摂り過ぎは、高血圧による心血管疾患(心臓病や脳卒中)や胃ガンのリスク要因となるだけでなく、自己免疫疾患が悪化する一因ともなることが知られています。 研究チームはしかし、体内に多くの塩分が蓄積するように進化してきたのには何か理由があるはずだと常々考えていました。

そんなときに研究チームの1人が、別のマウスに噛まれて皮膚感染症を起こしたマウスの皮膚に尋常ではない量のナトリウムが存在しているのに気付きました。

研究内容

そこでヒトを対象に感染症と皮膚における塩分蓄積との関係を調べたところ、細菌による皮膚感染症が生じている患者においても皮膚に大量の塩分が蓄積していました。

さらに、マウスに高塩分のエサを与えるという実験を行ったところ、高塩分のエサによって(皮膚に蓄積する塩分の量が増えて)マクロファージという免疫細胞の一種の活性が増大し、大形リーシュマニアと呼ばれる寄生原虫(トリパノソーマの一種)に感染した足の治癒が促進されました。

注意
研究者は「今回の研究は決して、平均的な人が高塩分の食事をすることを推奨するものではない」と警告しています。 感染部位への塩分蓄積が不十分なケースにおいてのみ塩分の補給が検討の対象となります。 しかしいずれにせよ現時点では、今回の発見を治療に利用するにはデータが不十分です。