コンテンツの利用をお考えの方は引用・転載をするときのルールをご確認ください。
Copyright (c)2013-2017 最新健康ニュース All Rights Reserved.

睡眠不足が夫婦ゲンカによる炎症を悪化させる

(2017年6月) "Psychoneuroendocrinology" 誌に掲載されたオハイオ州立大学の研究によると、睡眠不足により夫婦ゲンカで炎症が生じやすくなります。 睡眠不足のときには夫婦ゲンカによるストレスで炎症が生じやすくなるうえ、夫婦の双方が睡眠不足だと夫婦ゲンカになりやすくなるというのです。

炎症について

炎症は病原体や有害物質に対して免疫系が引き起こす自然免疫反応の一部で、傷の治癒を促進したり病原菌を抑制したりするのに役立ちます。

しかし、炎症は健全な組織まで傷つけてしまうので、感染症や怪我などが生じていないときにも炎症がだらだらと継続する慢性的な炎症は体にとってマイナスとなります。 慢性的な炎症はガン・糖尿病・心臓疾患・リウマチ・抑鬱・アルツハイマー病など様々な病気の一因になると考えられています。

慢性炎症の原因となるのは、体内から排除されずに残っている病原体・有害物質・免疫系の異常・運動不足・肥満・遺伝的体質・加齢などですが、食事内容も慢性炎症に大きく影響します。

研究の方法

43組の夫婦を被験者として以下を行いました:
  1. 夫婦の睡眠状況に関するアンケート調査。
  2. 血液検査(炎症の程度を調べる)。
  3. 夫婦間にくすぶっている未解決の問題を話し合いで解決しようとしてもらった。

結果

睡眠不足時には炎症が増大しやすい

数日間にわたり睡眠不足だった人は、起床後に炎症の程度が増大しているわけではなかったものの、夫婦間で口論になったときの炎症応答が通常よりも増大していました。 睡眠時間が1時間減るごとに、炎症の程度を示す血中物質の濃度が6%増加していたのです。 口論の節度が失われた場合、この数字は10%でした。

睡眠不足時には夫婦ゲンカになりやすい

夫婦のどちらもが2晩続けて7時間未満しか寝ていなかった場合には、節度を超える口論になったり敵対的な態度を示すことが増えていました。

夫婦のうちの一方だけでも十分に睡眠を取れていれば、理性的な話し合いの範囲に収まるケースが増えていました。 しかし、夫婦間では互いの睡眠が影響し合うことが多いため、夫婦の一方が睡眠不足である場合には配偶者も睡眠不足となりがちです。

コメント

研究者は次のように述べています:
「炎症の増大も望ましいものではありませんが、炎症が増大した状態が(慢性的な睡眠不足による頻繁な夫婦ゲンカにより)継続した状態を放置するのはもっと良くありません。 睡眠不足も夫婦間の諍い(いさかい)も日常的なものであるだけに、今回の結果は看過できません」

関連研究

"Biological Psychiatry" 誌(2016年)に発表されたカリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究(システマティック・レビュー)によると、睡眠不足(7時間未満)や睡眠過剰(8時間超)といった適正範囲外の睡眠時間それ自体も炎症の一因である可能性があります。